日本バドミントン界の躍進から何を学ぶか?
上記のエピソードから、日本バドミントン界の躍進には強力なリーダーシップを持つコーチが日本に就任したこと、時を同じくして様々なレベルの組織で積極的な対外交流が行われたこと、そしてそれらの動きを日本バドミントン協会が後押ししたこと、この3つが大きく影響していると言える。
若くから頂点を目指し練習を重ね、積極的な対外交流を行い世界中の「本物」を見て育った世代が、組織と選手を一番に考える強力なリーダーシップの下でついに金メダルを獲得した。まさに日本バドミントン界の悲願と言える瞬間であったことだろう。
こうした日本バドミントン界の躍進から、我々は何を学ぶことができるだろうか。例えば個人として、成長するために積極的に自分と異質な存在と交流することや、各分野の本物に触れること。また組織としては、下部組織や民間から出てきた今までにないアイデアを柔軟に取り入れ、必要があれば支援することの大切さだろうか。我々は毎日の仕事の中で、同じ分野に打ち込むことでともすれば大切なことを忘れがちである。オリンピックから、スポーツから学べることはまだまだ多くありそうだ。
神戸市立医療センター中央市民病院産婦人科後期研修医
前田裕斗
※MRIC 2016年8月23日より転載