お好み焼きは「主食」か「おかず」か?(shutterstock.com)
設問:次の4つから「ありえない組み合わせ」を選びなさい(複数回答可)。
①パスタ+パン
②うどん+かやくご飯
③ラーメン+チャーハン
④お好み焼き+ご飯。
元来、正解のある類いの設問ではないが、普段から「炭水化物×炭水化物」の組み合わせをNGと律している方の場合は全部がアウト。また、①②③はなんら問題なしでも、「さすがにこの組み合わせはありえないぞ」と④に○をした方もいるのでは?
一方、④も含め「ありえない組み合わせなんか、どこにもおらへんぞ!」と首を傾げた方は、おそらく関西出身者だろう。「粉もんパラダイス」の関西圏では、④も「(立派な)おかず+ご飯」の組み合わせだ。
関西人の常識は他県の非常識?
いずれも「炭水化物+炭水化物」の組み合わせ、言い換えれば「主食の重ね食べ」であることに違いはない。しかし、出身県や幼少期からの食習慣によって、その回答の選択肢が分かれるところ。とりわけ関西人にとっては、④のみを「正解」に選ぶ大方の人々の感覚自体が、「それこそ、ありえへん」のかもしれない。
そんな関西人の食生活の実態が明らかにされたのが、先日、大阪府健康医療部が公表した『大阪版健康・栄養調査結果』(速報版)だ。なかには「主食の重ね食べをどう思うか?」などのシビアな設問もあり、地元発のやや耳が痛くなるような実態と本音の声が読み取れた。
府民を対象に食への意識と行動を中心に独自の健康・栄養調査を行なったのは、大阪府としても初の試みである。成人調査の項は昨年11~12月に実施され、国民生活基礎調査世帯から抽出した1564世帯の18歳以上の人々が回答を寄せた(回答率61.3%=1858人)。
4人に1人は毎日「粉ざんまい」
主食の食べ重ねに関する回答グラフを一瞥すると、「お腹いっぱいになると思う」と「大阪らしいと思う」という肯定系の回答率が世代別・男女別を越えて、ほぼ同じような数値(=同率2位的に)で並んでいる。
一方、やはり世代別・男女別の枠を越えて最も回答率を稼いだのが、「太りそうだと思う」という懸念傾向の意見である。女性の5~6割がそう考えており、男性層でも3~4割にのぼっている。
しかし、いくら心ではそう思いつつも、「週1食以上」は主食の重ね食べをしている男性が61%、女性が47%。さらに「1日1食以上」という粉ざんまい(粉まみれ?)派が4人に1人にもなった。
この週1食以上(毎日1食以上を含む)重ね食べをしている人の割合を体格指数別で見ると、BMI25以上の「肥満型男性」が70%強おり、女性も56%強を占めた。これはBMI18.5%未満の「やせ形男性」の53%、「やせ形女性」の41%と較べれば、15~17ポイントの差が認められる。
もっとも、大阪府によれば、18歳以上の肥満割合は男性で25%、女性で18%と、いずれも20歳以上の全国平均よりは「低め」なんだとか。つまり大阪名物の食文化である「主食の重ね食べ」を一概に悪者扱いはできないのだが……。