「新鮮に見えるエビ」も危ない
④新鮮に見えるエビ
青島日報の2015年9月の報道によると、中国山東省のいたる所で、発がん性のある猛毒のホルムアルデヒドに浸されたエビが売られていた。ホルムアルデヒドに浸したエビは白さが増して長く鮮度を保っているように見え、殻もむきやすくなる。ホルムアルデヒドは本来、建築物あるいは動物の標本を保存するのに使用するもの。人が摂取すると鼻がんや咽頭がん、結腸がんを誘発する。中国大陸では、2002年から至る所でホルムアルデヒドに浸したエビが販売されている。
⑤ホウ砂入りの麺類
2015年9月、ガラスや子供の玩具のスライムの原料になるホウ砂を麺の添加物に使用したとして、福建省のとあるラーメン屋が逮捕された。ホウ砂は有毒物質として中国で使用禁止されている。一定量以上を摂取すると、食欲減退、消化不良、栄養吸収阻害、脂肪分解の促進により体重が減少する。中毒症状としては、嘔吐、下痢、紅斑(皮膚の充血による)、循環器系統障害、ショック、意識不明などがある。致死量は、成人で約20グラム、子供は約5グラム。
中国旅行で安全で美味しい食事を楽しむには?
なるほど、中国から輸入された加工食材のみならず、国内で消費される加工食材にも安全性の懸念があるようだ。「地元の人が食べているから安心」なんて理屈は通用しない。「食は広州にあり(食在広州)」も今は昔。中国人の富裕層が、大挙して日本を訪れるのも「日本の食品=安全」という安心感があるからだという。
では、どうすれば中国旅行で安全で美味しい食事が楽しめるのか?
日本に比べ物価が安いからといって、ケチってはいけない。中国人の富裕層が利用する高級レストランを利用すれば、そのリスクも多少は低くなるはずだ。ただし、その味が、コスパ的にどうかは自己責任。国内外問わず、「安全と安心」にはカネがかかることは、もはや世界の常識なのだ。
(文=編集部)