ウナギの産地偽装が問題に(shutterstock.com)
今年の土用の丑は7月30日。猛暑の食欲増進に欠かせないウナギだが、ウナギにまつわるトピックは、いつも騒がしい――。
世界規模の環境問題に取り組む国際環境NGOのグリーンピース・ジャパンは、2014年6月2日から9日にかけて、国内大手スーパーマーケット14社を対象に「輸入ウナギの品種の特定状況に関するアンケート」を実施。その一方で、14社で実売されていた輸入ウナギの加工商品を購入し、DNA鑑定を実施した。
その結果、複数のウナギ商品は、DNA鑑定の結果とアンケート回答の結果が一致しなかった。つまり、14社はウナギの品種を明確に特定しないまま販売し、しかも販売されたウナギ商品はすべてヨーロッパウナギだった。
ヨーロッパウナギは、「ワシントン条約付属書Ⅱ」に指定されている絶滅危惧種だ。「ワシントン条約付属書Ⅱ」によると、条約の締約国は、品種の管理を徹底するために、輸出入の実態をワシントン条約事務局に報告する義務がある。
企業秘密のバリアに阻まれて、不正に関わった企業の実態は不明のままだが、グリーンピース・ジャパンのDNA鑑定によって、絶滅危惧種のヨーロッパウナギが不正に輸入され、大手スーパーマーケットの店頭で販売されていた事実は揺るがない。
ここ数年、蒲焼きの産地や品種を自主的に開示しているスーパーも多くなった。もしかすると、あなたも、知らず知らずのうちにヨーロッパウナギの蒲焼きに舌鼓を打っていたかもしれない。