“本番に弱い”を克服! ここぞという時に体が「震える」「動かない」、その正体は“イップス”

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ここぞという時に外す……(shutterstock.com)

 8月から始まるリオ五輪。だが、競技場の建設スケジュールやジカ熱、政情不安など、心配な要素を抱えての開催となりそうだ。

 なかでも心配なのは治安だ。街には強盗が横行し、先日もオリンピックスタジアムにいちばん近い病院で銃撃戦が繰り広げられた。

 ついにリオデジャネイロ州は、財政危機により「治安や交通などの公共サービスなどの面で責任を果たせない」と非常事態を宣言。これを受け、ブラジル政府は緊急支援を発表した。

 こんなニュースに振り回されたくないのは出場する選手たち。最終調整をしている段階の今、向き合う競技以外のことで煩わされたくないというのが本音ではないだろうか。

 トップアスリートたちのパフォーマンスに大きな影響を与えるものには、不安やストレスなどがある。その代表が「イップス」だ。

本番になると、体が思い通りにならない

 ふだんの練習はできていたのに、本番になると精神的な葛藤からいつもの動作ができなくなってしまう――。これがイップスだ。

 1930年代に活躍したプロゴルファーのトミー・アーマーがこの症状によって引退し、のちに上梓した著書の中で「イップス=YIPS(うめき病)」と名付けた。

 強いメンタルが求められるゴルフでは、練習では入っていた簡単なパットを、注目を集める大舞台になると、体が思い通りに動かずに外すプレーヤーは少なくないという。

 プロゴルファー・宮里藍さんも、そのひとり。彼女の場合、2度のイップスを克服したといわれている。

 2度目のイップスでは、世界ランク1位の武器だったパットが入らなくなり低迷。プレッシャーのなかでも逃げずに、試合の前後、黙々とパットの練習を続けて脱したという。

 イップスはゴルフばかりではない。野球やテニス、バスケット、卓球、サッカー、ダーツ、ボウリングなど、さまざまなスポーツ選手に起こりうる。

 ボクシング漫画の名作『あしたのジョー』でも、ライバル・力石徹を死なせてしまったトラウマから、主人公・矢吹丈は試合相手の顔面を打てなくなってしまうシーンがある。これもイップスのひとつといえる。

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