美に対する感性の違いが“さじ加減”に影響
鎌倉医師は、実際に美容医療を受ける際のポイントについてこう述べる。
「欧米では、美容医療に大胆な変化を求める傾向があります。日本は高い技術があっても、アグレッシブな変化は求められない。そこで、日本人が求める価値観にマッチした技術が発達してきました。人種が違えば骨格も違う。欧米人と同じ手術をすればいいかというと、そうではない。日本人に適するようにうまくアレンジされています」
最近増えてきた韓国への美容医療“旅行”については、次のようなアドバイスを送った。
「まず、十分に情報を収集して“いい先生”を探すこと。そして、重要なことは、カウンセリングでしっかり仕上がりのイメージを共有することです」
「美に対する感性の違いは、仕上がりのさじ加減を左右します。そこを十分にカウンセリングで伝えきれているか。韓国人が求める“きれいな人”は、あなたが希望と目指すベクトルに微妙なズレがあるかもしれないからです。むしろ、そこを狙って韓国で治療する人も増えているようです」
美容医療において日本は、アジア圏でのリーダー的存在であることは間違いない。今年7月には、台北で「IMCAS Asia 2016」が開催される。
IMCAS(International Master Courses on Aging Science)とは、世界最大級の美容・アンチエイジング医療学会のことだ。鎌倉医師は、今年1月、パリ・東京・台北の3カ国同時中継の相互セッションで日本代表として参加。
7月の「IMCAS Asia 2016」でも、日本美容外科学会は積極的にコラボレートする予定だ。鎌倉医師の目指す、「グローバルなレベルでの成長」のひとつとして注目したい。
鎌倉 達郎(かまくら たつろう)
聖心美容クリニック統括院長。豊富な臨床経験を持ち、ボディデザインのほか、顔面形成などの高度な技術を要する手術で高い評価を得ている。「脂肪幹細胞移植」による豊胸術の導入など、再生医療を応用した新しい美容医療の確立に向け積極的に取り組んでいる。宮崎医科大学医学部卒業、九州大学生体防御医学研究所附属病院(現・九州大学病院別府先進医療センター)勤務などを経て現職。
聖心美容クリニック www.biyougeka.com