連載「最新の「美容医療」の世界にようこそ」第3回

社会学者・古市憲寿さんの「ハーフは劣化が早い」発言を美容医療の立場から考える

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
5892476-2.jpg

老化は「劣化」ではなく「グッドエイジング」(shutterstock.com)

 先日、社会学者・古市憲寿氏が出演したテレビ番組内で「ハーフってなんで劣化するのが早いんでしょうね」と発言したところ、ネット上で「差別発言ではないか?」と非難された騒動がありました。一緒に番組に出演していた、あるタレントさんの幼少時代の写真を見た流れでのコメントだったようです。

 この場合に使われた「劣化」は、おそらく「見た目の老化」のことを指しているのでしょう。最近メディアなどでも用いられている「劣化」という言葉――。時間を経て、あるいは年齢を重ねて、見た目が以前と変わったことに対して使われています。つまり、以前より老けて見えることは“マイナス”であると捉えたものなのでしょう。

 しかし、そもそもこのようなケースで用いられる「劣化」の定義とは、いったい何なのでしょう? 皆さんは、この言葉についてどのような印象をお持ちですか?

見た目の老化症状は「劣化」ではなく「グッドエイジング」

 年齢とともに見た目が変わっていくことを「老化」と呼びます。見た目だけなく、人間は加齢とともに身体の機能も衰えるため、「老化」という言葉は広い意味を持ちます。見た目に限ると、顔のシワ、シミ、たるみなどは老化の代表です。

 鏡を見ながら頬のラインを引っ張りあげて、シワやフェイスラインを伸ばしてみたり、昔のアルバムを眺めて、ため息交じりに「老けたなあ」と感じたりした経験は、多くの方がお持ちではないでしょうか。

 ですが、今回、私が触れたいのは、これを否定的に「劣化」と呼ばなくてもよいのでは、ということです。だって老化は人間の道筋、老化しない人間なんていないのですから。

 たとえば、年齢を重ねることを“人生経験”と考えてみてはどうでしょう。年月とともに熟成していくワインのように、人間こそ年月とともに味わいを増していくことができるはず。「劣化」と言うよりは、むしろ「グッドエイジング」として向き合った方が幸せではないかと思うのです。

老化しない人間なんていない

伊藤康平(いとう・こうへい)

聖心美容クリニック東京院院長。日本美容外科学会(JSAS)専門医、日本美容外科学会(JSAPS)会員、日本美容外科医師会会員、日本外科学会専門医など。冷静・的確なカウンセリングや美容外科医としてのセンス、技術に定評。年代を問わず幅広い支持を受けている。趣味は車やスキー、オーディオなどの電化製品、料理、熱帯魚観賞と幅広く。
聖心美容クリニック www.biyougeka.com

伊藤康平の記事一覧

伊藤康平

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

理学療法士。日本で理学療法士として勤務した後、豪…

三木貴弘

シカゴ大学医学部内科・外科教授兼個別化医療センタ…

中村祐輔
女性の「薄毛」は20〜30代から進行! 頭部全体の毛髪が薄くなる「びまん性薄毛」の原因は?
インタビュー「女性の薄毛トラブル対策」第1回:北嶋渉医師(銀座HSクリニック院長)

薄毛で悩む女性といえば、つい最近まで中高年だった。ところがここ10年ぐらいの間に20~30代女性も増えているという。原因はストレスや過度のダイエットによるバランスの崩れなど。そのため生活全般の見直しも必要になっている。女性の薄毛の原因となりやすい人の傾向、病状による治療や最新治療を、銀座HSクリニックの北島渉先生に訊いた。