「ヒモ」呼ばわりから価値転換できない日本人の夫婦像
日本で「ハウス・ハズバンド(専業主夫)」の呼称が広まったのは、一時期“育児と家事”に専念していたジョン・レノンの影響だ。
しかし、それから40年近くの歳月が流れてもわが国では、いまだに専業主夫は積極的に肯定されない。特にパートナーの経済力が圧倒的だと、「ヒモ」と蔑称されかねない。
婚姻後、一貫して巷間で不当な「ヒモ呼ばわり」されてきたのが、水島ヒロさん(32)だ。先日も夫妻の事務所が新年度を機に分社化したのを、『週刊文春』が「ママ歌姫絢香が仕事ゼロのヒモ夫水島ヒロを追い出した!」と見出しをつけて報じた。
たしかに処女小説『KAGEROU』の話題以降、表向きの活躍は途絶え気味な水島さん。だが、バセドウ病を患いながらも歌手活動を続ける絢香さんを支え、ハウス・ハズバンド役として愛娘の育児をサポートしているのも、また事実だろう。
「僕の人生であなたと出会えたことが一番の幸運です」とは昨年、結婚記念日のインスタグラム上に水島さんが綴った愛妻へのメッセージだ。
イケメン俳優の三者三様の「介護」を巡るカップル像を紹介したが、時代の趨勢だろうか、ネット上には「いまのヒモに求められるのは『介護力』」と揶揄する声もある。
だが、政府の「介護離職ゼロ」の実現には程遠い介護職員不足(今後も充足が見込めない)のなかでは、「介護ヒモ」と揶揄されようとも、これも「総活躍」するためのひとつの姿だといえる。
(文=編集部)