ゲノム編集すればブロンド美女もいなくなる!?
今回の研究では、ほかにも新たな発見があった。
たとえば、「PRSS53遺伝子」は巻き毛に影響を及ぼすことがわかった。巻き毛は、赤道直下の高温多湿地帯で脳を常に冷却する役割を担ってきたと考えられる。
また、「PAX3遺伝子」は特に男性に多い一本眉と強い関連があることがわかった。直毛は、人類がより寒冷な気候に適応した証左と推定できる。さらに研究が進めば、東アジアやアメリカの先住民でみられる直毛の進化過程も解明できるかもしれない。
さらに、祖先の違いによって白髪化が始まる年代は異なり、その平均年齢は、コーカソイド(白色人種)は30代半ば、東アジア系は30代後半、サハラ以南のアフリカ人は40代半ばということも明確になった。つまり、日本人なら37〜38歳になれば白髪が交じってくる。
リナレス教授は「髪を白くするIRF4遺伝子の変異は金髪にも関わっている。DNA配列を改変するゲノム編集によって遺伝子を操作すれば、美しいブロンド髪の女性が減ってしまう恐れもある」と皮肉を込めて説明する。
ブロンド美女が消えるのはちょっと悲しいが、いつまでも艶やかな黒髪の大和撫子が巷に増えるのは大歓迎!?
(文=編集部)