男性が延々と営んできた宿命、あるいは本能?
ただ、歴史的には不倫は病理というよりは、男性が延々と営んできた宿命、あるいは本能だとも言える。
1993年に刊行され当時広く読まれた『愛はなぜ終わるのか 結婚・不倫・離婚の自然史』(ヘレン・E・フィッシャー 吉田利子訳 草思社)には次のような一節がある。
「ダーウィニズムからいえば、男性が、本来、性的な多様性を求めることは簡単に説明がつく。男性がひとりの女性にふたりの子供を産ませると、遺伝子的にいえば、彼はみずからを『再生産』したことになる」
「だが、ほかの女性とも関係して、もうふたりの子供を産ませたとすれば、つぎの世代への貢献は倍になる。したがって、生物学的な面から見るかぎり、多様性を求める男子は子供も多く作ることになる」
つまり宮崎氏も、生物としての本能に忠実に従っただけなのかもしれない!? もちろんそんな説明で有権者が納得するはずも、育休を提言しながら妻を裏切った責任が免れるわけもないので“アウト”。
男性の育児休暇取得という主張自体には、それなりの意味はあっただけに、返す返すも残念である。
(文=編集部)