総活躍どころか離職率アップ
入園不可の現実に追い込まれた匿名ママは「どうすんだよ会社やめなくちゃならねーだろ。ふざけんな日本」とも綴っていた。
一方、厚労省は昨夏公表の「保育人材確保のための『魅力ある職場づくり』に向けて」で“就業希望者が増えない理由”をこう述べる。
●保育士資格を有するハローワーク求職者のうち約半数は保育士としての就業を希望していません。
●保育士職への就業を希望しない理由で、就業継続に関する項目としては「責任の重さ・事故への不安」が最も多く、再就職に関する項目としては「就業時間が希望と合わない」が最も多い。
許可保育園の場合、0歳児3人に対して保育士1人、1~2歳児は6:1、3歳児は20:1、4~5歳児は30:1という配置基準が存在する。人員削減下でこの基準スレスレの運営を強いられている保育園では体調不良でも当欠は許されず「這ってでも出てこい!」の返答が現実だ。
しかも日本の保育士資格は、スキルに応じた資格区分が設けられていない。仮にスキルアップしたところで、保育所の補助金が増額されるわけでもない。
勤続年数を重ねても昇給はしにくいシステムなのだ。私立であれば退職手当などの補助もないそうだ。
国内総生産(GDP)速報値は、2四半期ぶりのマイナス成長
前掲の「『魅力ある職場づくり』に向けて」内で需要面/供給面を鑑みて概算した厚労省の結果は「平成29年度末における保育者数は、約7.4万人不足」というお手上げぶり。
この数字を示されても安倍総理は「嬉しい悲鳴」を繰り返すのだろうか。まさに「何なんだよ日本!」である。
政府が掲げる「一億総活躍で『名目国内総生産(GDP)600兆円』。内閣府発表の2015年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値は、実質で前期比0.4%減、年率では1.4%減だった。マイナス成長は 2四半期ぶりだ。
“いつかこの数字を思い出してきっと泣いてしまう”のは国民の側である。
(文=編集部)