シリーズ「『あくび』と『いびき』と『しゃっくり』の科学」第1回 

あくび(欠伸)が止まらないのは、病気の兆候!? それとも人間の自然な生理現象?

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寝不足? 退屈? それとも!?(shutterstock.com)

 あくび(欠伸)は、言うことを聞かない子どものように、実に我がままだ――。思いもよらない時に出る。人前で平気に出る。眠くなれば出る。退屈なら出る。飽きたら出る。人に釣られて出る。噛み殺したり、ガマンしたり、手で隠したりするが、人前をはばからず出たりもする。

 とにかく「長口上(ながこうじょう)はあくびの種」だ。話はさっさと切り上げるのが賢い。もっとも、「三日従兄弟(みっかいとこ)」というからには、見ず知らず同士が釣られあくび(欠伸)で苦笑いするのも、浮き世の余興だろうか。清少納言のエッセイ『枕草子』にある「欠(あく)ぶ」は、口を開ける意味だから、あくび(欠伸)は口を開けて背伸びすることになる。

 さて、大きなあくび(欠伸)も出たところで、こんなあくび(欠伸)は恐い!という話に入ろう。

あくび(欠伸)が止まらないは病気のサイン

 「1日に何度もあくび(欠伸)が出て困っている!」「こんなにあくび(欠伸)が出るのは病気では?」などと心配したことはないだろうか? なぜあくび(欠伸)は止まらないのか?

 あくび(欠伸)が止まらない原因と考えられる病気には、糖尿病、偏頭痛、貧血、脳梗塞、睡眠障害の他、低酸素血症、狭心症、自律神経失調症などがある。

 糖尿病に罹ると、脳内のエネルギー源になる血液中のブドウ糖が減り、脳の働きが低下するので、あくび(欠伸)が出やすくなる。口を大きく開けてあくび(欠伸)をするのは、脳の血流を促して酸素を増やし、顔の筋肉を動かして大脳を刺激するためだ。あくび(欠伸)の他、目のかすみ、体のだるさ、冷や汗、動悸、眠気などを伴う。

 偏頭痛は、脳の血管が急激に拡張し、周囲の三叉(さんさ)神経の刺激がさらに血管を拡張して起きる。片方または両方のこめかみから目にかけて脈を打つようにズキンズキンと痛む。心身のストレスから解放された週末などに起きやすい。寝過ぎ、寝不足、女性ホルモンの変動、空腹、疲労、光や音の強い刺激なども誘因になる。偏頭痛が起きる前に、立て続けにあくび(欠伸)が出るのは、脳の血管に酸素を取り入れるために、血管が拡張するからだ。あくび(欠伸)の他、脈打つような頭痛、吐き気、嘔吐などを示す時もある。

 貧血は、血中ヘモグロビンの濃度が低下し、鉄分が不足すると起きる。ヘモグロビンは、体内に酸素を運ぶため、ヘモグロビンが減ると脳に運ばれる酸素量が欠乏するので、あくび(欠伸)が出る。あくび(欠伸)のほか、めまい、立ちくらみ、耳鳴り、疲労感、動悸、息切れなどを伴うことがある。

 脳梗塞は、脳の血管が詰まって血流が低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足に陥るために、脳組織が壊死して起きる。脳内の血流が滞ると、脳に酸素が行き渡らないので、あくび(欠伸)が出る。あくび(欠伸)の他、めまい、吐き気などを示すケースがある。

 睡眠障害は、不眠症(インソムニア)、睡眠関連呼吸障害、過眠症、概日リズム睡眠障害、睡眠時随伴症、睡眠関連運動障害の6つに分かれる。睡眠中に疲労が解消されなければ、昼間に脳の働きが低下するために、あくび(欠伸)が出る。あくび(欠伸)のほか、朝方に起きて眠れない、昼間に眠くなるなどの症状を伴う場合も少なくない。

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