筆頭著者であるアメリカ・ピッツバーグ大学のPatricia Wong氏は、「今回の研究では、睡眠パターンに平日と休日で極端な差がない(今回の検討で、休日に延長した睡眠時間の平均値は44分だった)健康な労働者でも、社会的時差ぼけがあると代謝系に悪影響を及ぼす可能性があることが示された」と述べ、「このような代謝系の変化は、肥満や糖尿病、心血管疾患の発症に寄与する」と説明している。
今回の研究で認められた関連性は、睡眠時間のずれとこれらの代謝系疾患の直接的な因果関係を証明するものではないものの、悪影響を及ぼすことに変わりはない。
同氏は、「今後、現代の働き方と社会的義務が睡眠や健康にどういった影響を及ぼすのかを、社会全体で考える必要が生じるかもしれない」と指摘。さらに、「労働者やその家族に対して、概日リズムの乱れや生活時間の重要性について教える職場教育の実施や、こうした問題の存在に気づかせるような施策などに焦点を当てた臨床的介入が有用となる可能性がある」と述べている。
とはいえ、休みの日くらいはゆっくり寝ていたいのが人情だ。この研究では、昼寝について言及されていない。いつもと同じ時間に起きて、午後から昼寝をしてみてはどうだろうか。ただし、長く寝すぎて就寝が遅くなれば社会的時差ぼけに見舞われるかもしれないので要注意だ。
(文=編集部)