チャーリー・シーンさんがHIV陽性を告白! 性豪エピソードに同情の声なし?

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 突然公表されたハリウッド人気俳優のHIV陽性の告白は、海の向こうの別次元の話のように感じたのなら、今回のことから学ぶべき教訓は、“日本人のHIV意識の低さ”である。

 東京都の昨年1年間の調査によれば、「エイズウイルス」とも呼ばれるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の感染が新たに確認された10代は148人。「過去最多の増加人数」だという。チャーリーさんのように、陽性を自覚した上で性交すれば、日本の刑法上では傷害罪(15年以下の懲役または50万円以下の罰金)、相手が死亡すれば傷害致死の成立する可能性もある。

 1980年代に確認されながら未だ根治策が確立されていないHIV。日本では、全血友病患者の約4割(1800人)が、HIVに感染した悲劇が発覚した。いわゆる「薬害エイズ事件」の被害者人口が多数を占めていたが、現在は性行為などによって感染者が拡大している。

 全国からのHIV感染者報告数が年間1000件を越えた2007年以降、2008年を頂点として横ばい傾向にはあるとはいうものの、2014年(新規報告数1091件)は「史上3番目」に多い(厚生労働省エイズ動向委員会のまとめ)。

これは感染率が低下傾向にある、他の先進国事情を逆行しており、わが国のHIVへの“意識の低さ”をあらためて指摘したい。

 まもなく12月1日、「World AIDS Day(世界エイズデー)」を迎える。 ハリウッド人気俳優のHIV感染ニュースは、世間への啓発としてはタイムリーだったかもしれない。

今年のテーマは「AIDS IS NOT OVER だから、ここから」。感染が広がる若年層にも“Safer Sex”を啓蒙するため、12月6日、東京・表参道の日本看護協会ビル前ではミニ冊子やキュートなハート型包装のコンドームが配布される。
(文=編集部)

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