小松秀樹が指摘する日本の医療行政の人権侵害的傾向とは?

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 筆者は上記6項目のほとんどに賛成するが、医師としての実感として、生活習慣病の予防のための保健サービスに、効果が期待できるとは思えない。さらに、予防によって「健康寿命」と寿命とのギャップを短くすることができるとは思えない。

 ギャップを短くすることが可能だとすれば、予防を含む保健活動ではなく、適切な条件が満たされた場合に、以後の治療やケアを控えることぐらいだろうと想像する。実際、北欧で寝たきりが少ないのは、自分で食事を摂取できなくなった時は、死に時だと多くの人が考えており、食事介助が一般的に行われていないからだと聞いた。

過去の日本の医療行政は警察権力が背景!?

 もう一つ、『病院の世紀の理論』には、病院の世紀以前の日本の病床について、注目すべき記述があった。全病床の統計が初めて出そろった1913年、「伝染病床」や「娼妓病床」など「特殊病床」が治療目的の一般病床よりはるかに多かったことである。
 伝染病床だけで、全病床の72%も占めていた。「特殊病床」には他に「結核病床」「癩病床」があった。これらの病床は社会防衛が目的であって、「収容された者にとっては、むしろ生命の危険が増大した。」入院は「本人の希望によって行われたのではなく、日本の場合、特に警察権力を背景とする強制力によって行われたのである。」

 現在の日本国憲法では、個人の権利は、公共の福祉に反しない限り、最大限尊重されなければならない。人権の制限はギリギリの利益衡量の中で行われる。

 国連は、公益目的で人権を制限する場合の詳細な原則(シラクサ原則)を定めている[1]。WHOは、薬剤耐性結核の対策で人権を制限するには、シラクサ原則に含まれる5つの基準全てを満たす必要があるとしている[2]。

1.人権制限は、法に基づいて行使される。
2.人権制限は、多くの人たちが関心を寄せる正当な目的の達成に役立つ。
3.人権制限は、民主主義社会においては、目的達成にどうしても必要な場合に限られる。
4.目的を達成するのに、強要や人権制限が、必要最小限にとどまるような方法を採らなければならない。
5.人権制限は、科学的根拠に基づくべきである。独断で決めてはならない。つまり、合理性を欠いたり、差別的だったりしてはならない。

地域包括ケア現場での多様な職種のネットワークが不可欠

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