最初の研究では、単語や形、記号などの似ている点、違う点を見つけるテストなどを利用し、言語的および非言語的知能をはかった。2つ目の研究では、数字の記憶、図形の描写、単語の定義付け、同一パターンや似ている単語を見つけるなどを含め、4種類の方法で認知能力をはかった。平均IQは100と設定された。
その後、「学校は子供たちに権威への忠誠を教えるべきである」「他の人種の人たちと一緒に働いてもかまわない」など、あらゆる状況や差別的な内容に関する多数の質問への回答で分析された。
その結果、子供時代に知能の低かった人は、大人になった時に人種差別主義的になるという結果になった。
しかしHodsonはすぐにこうも言う。「知能の低さと社会的な保守主義者の関係性が判明したからと言って、自由主義者は賢くて、すべての保守主義者は頭が悪いと言っているわけではない。この研究は、大きく分けたグループの平均を見るものである」と。さらに「とはいえ、厳密な右翼的考えには、世界の複雑さを理解するのに苦労する人々を引き付けると信じるだけの理由がある」とも。
他集団との接触の少ない人が右翼権威主義を受け入れやすい
また、認知能力の低い人々は、他の人種の人々と接した機会の少ない人たちでもあった。
Hodsonは研究仲間と共に、『psychological Science』誌のオンライン版で、「(IQの低い人たちにとって)他者のグループとの接触が精神的な挑戦であり、一般的には他との接触が偏見を減らすという研究結果とも一致しています」と語る。