皮下脂肪は密度も病気のリスクに! (shutterstock.com)
体重が増えると気になるのが、お腹やお尻、太腿まわりにたっぷりとついた皮下脂肪。体脂肪計で測るたびに、その数値を目にしてはため息をつく人も多いだろう。余計な脂肪がつくと容姿がパッとしなくなるだけでなく、メタボによる生活習慣病病も気がかりなところだ。
さて、この皮下脂肪は、ため込んだ「量」だけではなく「密度」も健康上のリスク要因になることがわかった。先月、米国国立心肺血液研究所(NHLBI)の研究グループが、内分泌と肥満に関する専門誌『ジャーナル・オブ・エンドクリノロジー・アンド・メタボリズム』で報告した。皮下脂肪の密度が高いと、男性では内臓脂肪の割合が上がり、女性では糖尿病や高血圧のリスクが高くなるという。
落ちやすい内臓脂肪、頑固な皮下脂肪
ご存じのように、体脂肪には「皮下脂肪」「内臓脂肪」の2タイプがある。皮下脂肪は、おなかや太ももなどの皮膚の下にある皮下組織に蓄積する細胞で、体温を保ったり、衝撃から身を守ったりする。外側からつまめるため、厚さを測ることによって肥満度を測定することが可能。皮下脂肪型肥満になると外見的にもたるんだ体型になるため、ダイエットを決心させる脂肪と言っていい。
一方、内臓脂肪は腹腔内の内臓の周りに蓄積した脂肪で、手でつまむことはできない。内臓を正しい位置に保ち、クッションになって保護したりする役割をしているが、つきすぎると皮下脂肪よりもずっと危険な存在になる。血糖値と血圧の上昇、中性脂肪の増加、血管の損傷が進み、糖尿病、高血圧症、心臓病や動脈硬化など、あらゆる生活習慣病の発症リスクに深く関わるからだ。
ただし、内臓脂肪は血行のよい内臓周りについているので、蓄積も早いが減るのも早い。食事制限や運動によるダイエットで、効果が得られやすい。それに対して皮下脂肪は、代謝が悪いため分解されにくく、いちど付くと減らすことが難しい。皮下脂肪がつきやすい女性にとって、悩みのタネだ。