それでは、手軽に押すことができ毎日役立つツボをいくつか紹介しよう。指先で軽く押して、「気持ちいい」「ちょっと痛いけど気持ちいい」というポイントがツボである。
まずは、眼精疲労。目頭と鼻の間の「晴明(せいめい)」と、そのやや上、眉毛の内側のくぼみ「攅竹(さんちく)」がよい。目が疲れると無意識に親指と人差し指でつまんでいるところだからわかりやすい。
また、こめかみからやや目じり寄りの「太陽」は“眼科ごろし”の異名があるほどの必殺ポイント。目の奥に痛みがあるような場合にも効く。さらに、頭痛、不眠症、風邪にもよく、記憶力も増進するというほどの万能ツボだ。
また、風邪の引き始めにはツボを温めるとよい。たとえば、頭から首が始まるあたり、首の中心から左右に3cmくらい離れた2点「風池(ふうち)」。そして、首が肩と交わるあたりのやはり中心から左右に3cmずつ離れた「風門(ふうもん)」。この2つを温めるとよい。
首の上端と下端なので、襟巻きをするのもよいし、ドライヤーで首を温めても寒気がとれる。「風門」のやや下の首骨と背骨の境目あたりの「大椎(だいつい)」も風邪のツボだ。このときは、やや下までも温めるのがコツ。「風門」「大椎」のあたりを覆うようにカイロを貼ってもいい。
私たちの祖先が蓄積してきた、経験に基づく「知恵」をおおいに活用しない手はない。
(文=編集部)