やっぱり密な関係にあった!匂いと食欲 Markin/PIXTA(ピクスタ)
あなたは、焼きたてのパンやポップコーンなどの匂いを思い出すことはできるだろうか。誰もが容易にできることだが、その匂いを思い出す能力には個人差があり、体重増加と密接な関係があることが判明したのだ。
先日、米コネチカット州のジョン・B・ピアース研究所による「匂いを想像する能力の体重増加との関係性」についての研究結果が発表された。同研究によれば、普段、焼きたてのパンやポップコーン、もしくはバラの花束などの匂いを想像する力は誰もが持ち合わせているが、この能力には個人差があり、特に食べ物の匂いを想像する能力が高いと、食べ物の渇望につながる可能性が高まることが示唆された。
研究実験で、対象者に食べ物などの匂いを想像してもらった結果、BMI値の高い人ほど、匂いを強くイメージできることが判明。このことから、匂いに対する想像力は、体重増加リスクを高める要因の一つであることが分かった。
これまでは、「食べ物を渇望すること」が肥満の要因であると予測されていた。だが、この結果から、「匂いを想像する能力」が食べ物の渇望と関連する可能性があることが示された。
やはり匂いと食欲は密な関係にあった!
今回の研究は、匂いを想像する能力と肥満が密接に関係していることを教えている。しかし、それ以前に、匂いは食欲に大きく影響し、より食べたい欲求を強めることを再認識できる。感覚では分かるものの、やはり、匂いと食欲とは密接な関係があるようだ。
もともと、人には物理的な満腹感とは別の「感性満腹感」というものが満たされることで、食行動が調節されるといわれている。感性満腹感とは、見た目や匂い、味、食感などの五感で感じる満足感のことだ。特に匂いは、この感性満腹感へ強い影響をもたらすという。
人は、「お腹いっぱい食べて満足した」というとき、胃に満たされた満腹感だけでなく、匂いを中心とした感覚でも満足し、「美味しいものを食べた」という記憶を蓄えることになる。ここで記憶された「おいしかった匂い」が、「またあれを食べたい」につながり、食行動へ走らせることになるのだ。