ゲームをしながらウォーキング・ダイエット! 全世界を席巻する「Ingress」の魅力

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
ingress0001.jpg

イングレスのポータルは、全世界に点在している。

 ウォーキングは日常生活の中で簡単にに行うことができて、健康維持にもダイエットにもいい――。ということはわかっていても、なかなか時間もとれないし、同じ場所をグルグル歩くのは単調で、「毎日、最低1キロは歩く!」と心に誓っても、つい挫折しがち。

 しかし、そんなあなたでも、ついつい夢中になって1日で数キロもの距離を歩いてしまう、そんなスマートフォン用のゲームアプリが人気沸騰中だ。その名は「Ingress(イングレス)」。文化庁メディア芸術祭で大賞を受賞し、昨年末、東京都内で行われたイベントのNHKのニュースでも報じられたので、名前くらいは聞いたことがあるという人も少なくないはず。いや、もしかして、あなたもすでに参加してしていたり!?

大人がハマる「拡張現実の陣取りゲーム」

 ゲームというと「インドア」「不健康」といったイメージがつきまとうが、イングレスは実際に外を歩き回らなければプレイできない。スマホのGPS機能を使って、街中に作られた「ポータル」と呼ばれる基地を奪い合い、陣地を広げる、いわゆる拡張現実(AR)ゲームだ。

 アプリを開発・提供・運営しているのはgoogle社。そのため、プレイをするためにはGoogleアカウントが必要になる。アプリをスマホにダウンロードし起動させたら、「緑組(エンライテンド=Enlightened=覚醒派閥))」か「青組(レジスタンスResistance=抵抗派閥)」のどちらかに所属しなければならない。この緑組と青組に分かれて、基地となるポータルや陣地を奪い合うことになる。
 
 ゲームのフィールドは、まさに現実の世界だ。日本国内だけでなく世界中にポータルが存在する。誰もが知っている有名な名所旧跡や街のランドマークだけでなく、駅や公園、道端の地蔵やモニュメントなどにポートルが割り当てられており、それを確保するためには、スマホに表示される地図を見ながら、実際にその場所まで行って「ハック」しなければならない。

 プレイヤー(エージェントと呼ぶ)がポータルを申請し、それが審査基準をクリアすれば、自分で新たなポータルを作ることもできる。そのため、駅前の片隅にある古びたタヌキの置物が、突然、ポータルになって、それが自分の陣営にとって大事な「拠点」となって、日々熾烈な奪い合いが繰り広げられている、なんてこともある。

もっと強く、もっと遠くへ......と気づけば2時間ウォーキング

 ポータルは常に、ハックしたりハックされたりの繰り返しだ。敵のポータルをハックして自陣にしても、レベルの高い敵のエージェントが、強力なブラスター(爆弾)であっさりと破壊して、取り戻してしまう。

 だから、どんどん新たなポータルをハックするしかない。つまり、どんどん歩くしかないのだ。歩いた距離、ハックしたポータルの数、リンクの数、作ったフィールドの大きさによって、あなたの経験値が上がり、レベルが高くなっていく。そうすれば今まで使えなかったレベルの高い強力な武器や、攻撃に強いポータルを作れるようになる。

 そして気がつくと「この先にポータルが......」「もう少し歩けばリンクできる......」と言いながら、軽く2時間は歩き回っていることもざらにある。

ingress.000-2.jpg

(出典:IngressStatistics - コミュニティ - Google+より)

 筆者が最もハマっていた頃は、移動がすべて歩きになり、1日平均4万歩も歩く生活が何ヶ月も続いていた。普段なら「もっと、もっと」とせがむ散歩好きの愛犬に、「もう帰ろうよ」とリードを引っぱられる珍事も一度や二度ではなかった。手首に巻いたリストバンド型活動量計ジョウボーンに「今日は4万歩も歩きましたね。どうかしたのですか?」と心配されたこともある。

 体重も1カ月で5kg減った。ちなみに右のグラフは、各レベルのエージェントがトータルで歩いている距離の統計だ。レベル8以下は「初心者」とまとめられているが、それでもだいたい250km近く歩いていることになる。これは東京から浜松までの距離に等しいので「1日1万歩なんて序の口」という言葉もうなずける。

世界中から5600人が大集結、観光スポットの割引なども

 イングレスは最近、特に「楽しみながら運動できる」アプリとしてファンの裾野を広げつつある。今年の3月28日、京都で開かれた公式イベント「証人(SHONIN)」が開催され、日本全国そして世界中から5600人以上のプレイヤーが参加して大いに盛り上がった。

 また横須賀では無人島の猿島にあるポータルをハックする観光客のため、イングレス画面を見せるとフェリーの運賃が半額になる「イングレス割」を行った。岩手県は県をあげて名所をポータルに申請して観光客を誘致し、イングレスの持つスタンプラリーのようなMISSIONを使って効率良く観光名所を案内してもらうこともできる。

 言い忘れていたが、イングレスはもちろん完全無料だ。ただし、「イングレスのためにウオーキングシューズを買った」「ロードタイプの自転車を買ってしまった」という人たちは、それを自嘲気味に「課金アイテム」と呼んでいる。また、仕事で外を回っているときにイングレスに夢中になり本業を忘れる......なんてことにも要注意だ。

 ダイエット、そしてウォーキングに強烈なモチベーションを求めているあなた、試しに近所のポータルを探し、ハックしてみては? 
(文=編集部)

部下や同僚が「うつ病」になったら? リワークのプログラムの提供施設は全国200以上に拡大
インタビュー「職場でのうつ病の再発を防ぐ」秋山剛医師(NTT東日本関東病院精神神経科部長)

第1回:「障害」が疑われる人の<うつ休職>
第2回:「新型うつ」はどう治す?
第3回:部下や同僚が「うつ病」になったら?
うつ病で休職中の社員が、毎日決まった時間に病院に通い、同じうつ病の仲間とともに再発を防ぐためのプログラムを受けることが「うつ病のリワーク」と呼ばれ注目を集めている。

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

郡司和夫

こくらクリニック院長。1963年生まれ。1991…

渡辺信幸

新宿大腸クリニック院長。1988年、東京大学医学…

後藤利夫