いよいよ梅雨から真夏に入る。食品に繁殖する細菌やカビ、ダニには、油断禁物となるシーズンだ。
「オシャレで日持ちもする」と大人気のジャーサラダの危険性については当サイトでも紹介した。だが、注意しなければならない食品はほかにもある。
持ち運んではいけない、スムージーは"作りたて"が原則
凍らせた野菜や果物を、牛乳やヨーグルト、アイスクリームといった乳製品と一緒にミキシングする「スムージー」。野菜を豊富に摂ることができ、色彩も鮮やかなので、ダイエットの食事としても人気だ。
しかし、ジャーサラダと同じく「持ち歩き」は厳禁だ。持ち歩き用のタンブラーやボトルが売られているが、ミキサーにかけたスムージーは、容器に注ぐ際、酸素に触れ、時間が経つごとに酸化が進む。また、キレイな色を誰かに見せたいからと透明な容器に入れれば、光に当たる。せっかくのポリフェノールやビタミンも、刻々と壊れてしまうのだ。糖度の高い果物が多く入っていれば、菌はそれを餌として増殖していく。スムージーは"作りたて"を飲むのが大原則だ。
そしていわずもがなだが、牛乳も「持ち歩き」したり、直接、容器に口を付けて飲んだものを常温のまま放置するのも厳禁だ。1mlの唾液の中には、数百万の細菌がいる。牛乳は栄養価が高く、唾液が中に混入すると細菌が瞬く間に繁殖する。牛乳がペットボトル売りされていないのは、菌の繁殖を防ぐためだ。
バーベキューは食中毒菌との戦い
「夏といえばバーベキュー!」と楽しみにしている人も多いだろう。だが、菌が活発に動く夏場のバーベキューは、食中毒菌とのシビアな戦いだ。食の衛生の観点から、バーベキューでの注意事項を列記しておきたい。
○自宅で調理した生野菜サラダの持ち込みは避ける。クーラーボックスに保冷剤と一緒に入れても、食材の詰め込みすぎで冷気がまわらない危険性が高い。
○生の肉や魚をつまむトング、野菜用のトング、さらに焼いたモノを配るためのトングを用意して明確に使い分ける。食べるための箸で生肉をつまんだりすると、食中毒菌がそのまま口に入る危険性が高い。
○肉を大きなかたまりで焼いた場合、外側が焦げて中身が加熱不十分になる危険性があるので注意したい。
○釣った川魚は、寄生虫が棲みつきやすい内臓を、しっかり取り除いてから焼く。
○二枚貝は人が重症化する毒素をもっていることがあり、貝毒は加熱しても死滅しないものもある。海で獲った貝を自己流で食べてはいけない。