----22年連続して血圧を測定されているそうですが、どんなことが分かりましたか?
渡辺:簡単に説明するのは難しいのですが、血圧が太陽活動や地軸の変動と関係があることが分かっています。どうも人間は1、3、7、10、20年という周期で高血圧になったり、低血圧になったりしているようなんです。私のような専門医で、低塩分の食事を心がけている人間でも、上の血圧が200に達したこともありますし、60台という非常に低い瞬間もありました。家では正常な血圧なのに、病院では高くなってしまうという「白衣性高血圧症」という症状を耳にしたことがある方もいらっしゃるでしょう。まだまだ私たちは血圧の変化を完全には捉えられていません。だからこそ、高い低いと一喜一憂せず、正しい生活習慣を着実に積み重ねていくことこそが何よりも重要なんですね。
(文=編集部)
渡辺尚彦(わたなべ・よしひこ)
医学博士。東京女子医科大学東医療センター内科准教授。1952年、千葉県生まれ。1978年、聖マリアンナ医科大学医学部卒業、1984年、同大学院博士課程修了。1995年、ミネソタ大学時間生物学研究所客員助教授として渡米。専門は高血圧を中心とした循環器病。1987年8月から連続携帯型血圧計を装着し、以来、365日24時間血圧を測定。現在も引き続き連続装着記録更新中。
主な著書に『血圧を測るだけ!! で長生きする38の理由 見る間に下がる魔法の習慣』(毎日新聞出版)、『たったこれだけ! 面白いように血圧が下がる渡辺式降圧生活のすすめ』(ワニブックス)、『ズボラでも血圧がみるみる下がる49の方法』、『ズボラでもみるみる下がる 測るだけ血圧手帳』(共にアスコム)など多数。