「福祉機器としてのパチンコ開発」の狙いは高齢者のパチンコ店への引き戻し?

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 しかし、懸念もある。もし「トレパチ!」の目指すところが、かつてパチンコの顧客だった高齢者の引き戻しだとしたら......。つまり、「介護施設に入所するようになって遊べなくなったヘビーユーザーに、パチンコの面白さを再認識してもらい、また店舗に来て欲しい」ということだ。

 「トレパチ!」にはギャンブル性はないとはいえ、パチンコはあくまでもギャンブル。しかも、さまざまな研究から依存性があることがわかっている。老化により判断能力が低下している高齢者が近づくことで、本人の資産がなくなってしまう、介護する家族が経済的に疲弊するなど、社会的な問題に発展する可能性がある。

 どのような介護施設がリハビリのために「トレパチ!」を導入するのか明らかではないが、高齢者の心身の健康を考えたとき、ギャンブルから距離を置くのが正しい経営姿勢のように思う。病院などの療養施設にアルコールの自販機がないように、ギャンブル機器も置くことは不適切だという意見もあるだろう。

 そうはいっても、パチンコの顧客は全国にいる。かつての愛好家も全国にいる。どんな田舎町でもパチンコの店舗はネオンを輝かせている。それが日本の商業施設の風景であることは、誰も否定できない現実。この巨大なマーケットが高齢者施設の入所者にもある以上、パチンコ業者はアプローチをかけていく。

 私たちは、静かな老後を迎えるために、何を必要として、何を不要とするのか、しっかり考えないといけない。老後の時期になっても、サービス産業の巨人は「遊びませんか?」と誘ってくるのだから......。
(文=編集部)

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