「グルテンフリー」にダイエット効果ナシ!? 高価なグルテンフリー食生活はナンセンス?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
GLUTENFREE.jpg

グルテン過敏の人には有効かもしれないが......

shutterstock.com

 現代の健康志向を背景として、次々と登場する新ダイエット法。3年ほど前にアメリカで火がつき、日本でも知名度上昇中なのが「グルテンフリーダイエット」だ。

 痩せられるだけでなく美容やアンチエイジング効果も期待できるといわれ、アメリカではジュリア・ロバーツを始めとする多くのセレブが実践。プロテニスプレーヤーのジョコビッチもこの食事法で世界一を手にしたと話題になり、熱は未だ冷めやらないようだ。

 グルテンとは小麦や大麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種。パンやパスタ、シリアル、ケーキ、うどん、飲み物ではビールなどに含まれている。それらグルテンを一切摂取しないのが、グルテンフリーダイエットだ。
 
 今やアメリカでは、穀物に含まれるこの栄養素を避けようとする人が3分の1近くに達していると言われる。2014年のグルテンフリーの食品の市場規模は88億ドルとなっており、2012年から63%も拡大したという。

痩せるという医学的根拠はない

 

 しかし、そもそもグルテンフリーが注目されるきっかけとなったのは、グルテンをうまく消化できない体質の人たちが、グルテン除去食を摂ったところ、体調が劇的によくなったと報告されたからだ。それが「カラダを変えたい」「美しく痩せたい」という志向と結びついたという。

 グルテンに過剰反応する体質の人は一定数存在する。代表的なものに、自己免疫疾患の一種の「セリアック病」があり、グルテンを摂取すると小腸の粘膜に炎症を起こす。遺伝的な要因が大きく有病率は約1%と言われる。

 また「小麦アレルギー」は、グルテンに限らず小麦そのものにアレルギー反応を示す。さらにセリアック病と診断されないにもかかわらず、グルテンの入った食品を食べると下痢をするなど体調が悪くなる「グルテン過敏」の人も、わずかながら存在する。

 こうした人たちにとっては、症状改善のためのグルテンフリー食品は間違いなく有効だ。だが「症状のない人たちにとっては、グルテンフリーは意味がない」と多くの栄養専門家は指摘している。ダイエットに効果があるという医学的なデータもまったくないというのだ。

盲目的な除去はかえって危ない

 

 「グルテンフリー」と表示された食品は小麦の代わりに米粉やタピオカなど、別の穀物や野菜を使ったものが多い。小麦製品を全てこのようなグルテンフリー食品に置き換えた場合、小麦製品を食べていた時よりも血糖値を高めてしまう危険性がある。なかにはビタミンやミネラル、食物繊維が従来品より乏しく、脂肪や総カロリーが高いものも多いため、かえって太ってしまうこともある。

 そればかりではなく、グルテンを完全に除去してしまうと、腸内細菌や血圧調節、免疫システムなどに悪影響を与える可能性もあると警鐘を鳴らす専門家もいる。

 グルテン入り小麦の悪影響として「依存性があり食べ過ぎにつながる」「血糖値が急上昇し、脂肪を溜め込みやすくなる」「高血糖によって老化を促進させる」と主張する人もいるが、セリアック病ではない人々に対しても健康促進効果があるという検証を証明する研究発表はない。

 もともとグルテン過敏の傾向があり、除去してみたら体質が改善されたという例はあるかもしれない。ダイエット成功のケースも、グルテン抜きというより、結果的に炭水化物の摂取が減ったことによる効果も大きいのではないだろうか。
 
 日本でグルテンフリー食材を使った料理をしようと思っても、大型の百貨店などに足を運ばなければ簡単には手に入りづらい。グルテンを体質的に受け付けない人にはお勧めかもしれないが、流行ってるからという理由で、わざわざ高価なグルテンフリーの食品生活をおくるのはナンセンスかもしれない。
(文=編集部)

アジア圏での“独特の美”を追求~世界トップクラスの症例数を誇る日本の美容医療
インタビュー「ここから変わる! 美容外科の世界~グローバル化する日本の美容医療」第1回 聖心美容クリニック 鎌倉達郎 統括院長

日本の美容医療は、果たして世界のトップレベルにあるのか――。「第104回日本美容外科学会(JSAS)」の会長を務めた、鎌倉達郎医師に、日本の美容医療の現状と世界の趨勢について聞いた。