医療費削減の特効薬として進められたジェネリック薬への切り替えに黄色信号!?

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先発薬か後発薬か?shutterstock.com

 いま、国は、増え続ける医療費を抑制するために、新薬よりも廉価なジェネリック薬(後発医薬品)の推進をしている。しかし、その成果はまだ不透明だ。

 健康保険の財源の多くは、税金である。高齢化社会になり、伸び続けている医療費をいかに削減するか、そのために国は知恵を絞っている。医療費を削減するための、ひとつの方策が、後発医薬品(通称、「ジェネリック薬」)の推進である。
  
 医療用医薬品には2つのタイプがある。ひとつは新薬(先発医薬品)。もうひとつはジェネリック薬(後発医薬品)。新薬は、長い歳月と、数百億円もの費用をかけて開発される。新薬を開発した製薬会社は、特許を出願して独占的に販売することが可能になる。会社としてはリスクをとって開発した新薬を、他社にマネされないようにすることで、利益を確保できる。しかし、特許期間が過ぎれば、他の製薬会社にも製造販売ができるようになる。この後発の医薬品のことをジェネリック薬と呼んでいる。

 新薬もジェネック薬もその薬効に差は無いと説明されてきた。特許期間が過ぎているため、市場原理が働き、新薬と比べると廉価である。日本では、他の先進国と比較して、ジェネリック薬の普及が進んでいない。普及させることで、右肩上がりに伸び続ける医療費の抑制をしたい、というのが国の考えだった。

置き去りにされたままの安全性の検証

 しかし、その予測が甘すぎたようだ。
 日本の医療に大きな影響力をもつ日本医師会の羽鳥裕常任理事は、3月29日に開かれた第134回臨時代議員会で、ジェネリック薬が増えることで医療費が節約できるか? との質問に、実際の効果が不明な点を認めてしまった。

 2007年の財務省の財政制度等審議会財政構造改革部会の資料のなかで、「先発品を全て後発品に変えたら1.3兆円削減できる」という資料があり、これに基づいてジェネック薬の推進が始まった。ところが、廉価であったはずのジェネック薬は、それほど値が下がらなかった。新薬とそれほど変わらない薬価のジェネックもあり、医療費削減につながっていない。
 
もともと、医療は、普通の市場原理が働きにくい。患者は医療の素人であり、自分の知識だけで、膨大な医薬品のなかから、もっともコストパフォーマンスの高い医薬品を選択することは事実上不可能だ。

 さらに政府が推計している薬剤費が、現実よりも過小に見積もられている、という指摘もある。ある専門家は、その原因の一つとして「調剤薬局の技術料部分すなわち調剤技術料と薬学管理料が含まれていない」ことだという。

 医薬品は、モノ自体で商品にはならないし、価格もつかない側面がある。薬代には薬局で働く薬剤師という専門家への報酬も含まれているというわけだ。

 これに加えて、製薬業界の事情もある。人口減少の日本国内で利潤を得ようとすれば、新薬もジェネリックも等しく、よい商品にはそれに見合った価格を付けて販売したい。普通のビジネスを進めく立場であれば、安易な安売りはしないのは理解できる。

「ジェネリック医薬品は特許が切れた薬」「同じ効果を得ることができる」「医療費の削減に効果がある」。こうした説明で国を挙げての一大キャンペーン。半ば強制的に進められた導入だが、その最大の目的であった医療費の削減がおぼつかない。その影で課題となっていた添加物や剤形による薬剤の効果の違いなど、安全性の担保が再度しっかりとした検証がされるべきだろう。

 経済効果も無くジェネリック薬による副作用や薬害が発生した場合、政府はどんな言い訳を用意するのだろうか。
(文=編集部)

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