市販の風邪薬の副作用で死亡も?! 消費者庁が「副作用に注意」と呼びかけ

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市販の薬を飲んで死にたくない! shutterstock.com

 風邪気味だけど、仕事が休めない、医者にかかる時間がない----。そんなときに、家の救急箱にある風邪薬を飲むのは、誰もがごく普通にしていることだろう。

 風邪薬などの市販薬はドラッグストアでごく簡単に買うことができる。昨年(2014)年には薬事法の一部が改正され、ほとんどの市販薬がインターネットでも入手できるようになり、より身近に利用できるものになった。

 しかし「簡単に入手できる」=「強い作用はないから安全」ではない。先日の4月8日、消費者庁の発表によれば、2009〜2013年度の5年間で、市販薬による副作用が合計1225例に上った。そのうち、死亡と後遺症が残った症例がそれぞれ15例ずつ報告されているという。

 今回のデータは、独立行政法人・医薬品医療機器総合機構に報告された事例に基づいたもの。同庁は「初期症状が出たら、重くなるまえにすぐ医師や薬剤師に相談してほしい」と呼びかけているが、消費者庁がこうした注意喚起をするのは初めてのことだ。

総合感冒薬による死亡が半数以上

 副作用の症例数が最も多かったのは総合感冒薬、つまり風邪薬で、400例に達した。次に解熱鎮痛消炎剤が279例、漢方製剤が134例と続く。症例数1位の総合感冒薬は死亡数も最も多く8例にのぼり、9例に後遺症が残った。ほかにも解熱鎮痛消炎剤で3例、漢方製剤で1例、鎮咳去たん剤で2例、その他の市販薬で1例の死亡例がある。

 死亡や後遺症が残った症例の主な副作用は、「スティーブンス・ジョンソン症候群」「中毒性表皮壊死融解症」「肝障害」「間質性肺疾患」「腎障害」などだ。

 特に重篤になりやすい「スティーブンス・ジョンソン症候群」は、薬剤に対する免疫反応の異常が引き金となるもので、どんな薬を飲んでも起きる可能性があるという。初期症状は高熱や、目の充血、粘膜の異常、皮膚の異常など。服用後2週間以内に発症する場合が多く、重くなると全身が火傷のような状態になり、死に至ることもある。この他にも、市販薬によって倦怠感や吐き気、かゆみ、咳などさまざまな副作用の初期症状がある。

「使用上の注意」に危険は明記されている

 この中には定められた用法や用量どおりに服用したにもかかわらず、深刻な症状が現れたケースも多い。さらには健康体でアレルギー疾患などがない場合や、過去に飲んだことがあり問題がなかった薬であっても、突然重い副作用を引き起こすこともあり、非常にやっかいだ。

 一般用医薬品の副作用症状についてはまだ多くの人に知られておらず、副作用の発見が遅くなる恐れがある。実際、市販薬についている「使用上の注意」を熟読してみると、かなり重篤な症状も想定されている。しかしほとんど読まないか、読んでも気にかけないまま薬を服用している人も多いだろう。

 私たちが薬を飲み続ける限り、副作用に対する決定的な自衛方法はない。だが、多少具合が悪いからといって、安易に市販薬を飲むような習慣を改めれば、リスクを限りなく下げることはできるだろう。たとえば風邪などは十分な休養と栄養でしか治らない。総合感冒薬は単に症状を和らげるだけだ。

 そして服用後に少しでも「おかしいな」と感じることがあれば、すぐ医師や薬剤師に相談すること。医療に関する規制が緩和されていくほど、薬を使う側が自発的に安全に対する意識を高めなければいけないということなのだろう。
(文=編集部)

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