名前は知っていてもよくわからないバセドウ病&橋本病 岩崎宏美の告白で注目

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岩崎宏美のデビュー・シングル「二重唱(デュエット)」(1975年4月)

 歌手の岩崎宏美が、テレビ番組の取材で甲状腺の病気である「バセドウ病」と「橋本病」を併発し、長い治療をしてきたことを明かした。この数年で、歌手で先日妊娠を発表したばかりの絢香、同じく歌手の元ピンクレディーのケイちゃんこと増田恵子、ビッグダディの元妻でタレントの美奈子なども、バセドウ病であることを告白し話題となった。真偽のほどは定かでないが、サッカー選手の本田圭佑がバセドウ病ではないかというスクープ合戦も記憶に新しい。

 いったい、「バセドウ病」や「橋本病」とはどんな病気なのだろうか。
 バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰に作られる病気で、発症は20歳代から50歳代くらいに多いとされている。男女比では女性4に対し男性1の割合で女性に多くなっている。
 その原因である甲状腺ホルモンの過剰な産生には、免疫が関係している。本来、免疫反応とは、体の中に入り込んだ異物に対しておこるものだが、まれに自分の体の中に存在する正常な細胞を異物と勘違いして反応することがあり、それを自己免疫疾患と呼ぶ。

 バセドウ病の場合も、のどぼとけの下、気管の前にある内分泌器官の甲状腺を異物と勘違いして作られた抗体が甲状腺を刺激し続けるため、甲状腺ホルモンが過剰に分泌(甲状腺機能が亢進)されてしまうのだ。

 甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にするホルモンなので、一見肌つやもよく元気そうに見えたりもする。しかし、代謝が高まりすぎるため、じっとしているときも走っているかのような状態が体の中で起こってしまい、心臓などに負担がかかり動悸や疲労などが起こる。

 そのほかにも、下痢やイライラ、手足や体の震え、暑がりになる、汗をたくさんかくなど、更年期と似たような症状もあるため、勝手な思い込みで受診が遅れることもある。

バセドウ病も橋本病も同じ自己免疫疾患

 一方、橋本病の方も同じく自己免疫疾患のひとつで、男女比では男性1に対して女性が20~30と圧倒的に女性が多く、30歳代から40歳代に発症するケースが多い。

 橋本病は、甲状腺に炎症が起きている状態だが、その炎症の原因が細菌などではなく、リンパ球が甲状腺を攻撃するために起こると考えられている。橋本病は、甲状腺機能低下症の代表的な病気で、橋本病の約30%の患者の血液中に甲状腺ホルモンの不足が見られる。

 甲状腺ホルモンが不足すると、むくみが出たり肌が乾燥したりして、老けたように見えることもある。バセドウ病とは逆に新陳代謝が落ちるため、寒がりになったり太りやすくなったりする。
 
 しかし、甲状腺ホルモンが不足していない場合には、特に自覚症状が無く、病気に気づかない場合もあるが、甲状腺が炎症で腫れる、首が太く見える、喉の痛みを感じるなどの症状が出ることもある。
 
 このふたつの病気、甲状腺ホルモンが多い病気と少ない病気として認識されているため、今回の岩崎宏美のように、そのふたつの病気が併発するってどういうことなのか?と不思議に思う人も多いだろう。
 
 バセドウ病も橋本病も同じ甲状腺に関わる自己免疫疾患のひとつであり、甲状腺ホルモンの分泌量の変化で、バセドウ病が橋本病に、橋本病がバセドウ病に移行したと考えられる症例もある。

 だが、もともと橋本病の患者が、急に暑がりになった、イライラや動悸、発汗などが高じたときに、もしかしたらバセドウ病になったのかもしれないと自己判断するのは危険だ。
 
 なぜなら、橋本病には「無痛性甲状腺炎」という病態があるからだ。これは何らかの原因によって甲状腺細胞が壊れ、蓄積されていた甲状腺ホルモンが一気に血中に流れ出し、一時的に甲状腺機能亢進状態になることがあり、バセドウ病に似た症状が出ることがあるからだ。

 今回の岩崎宏美の場合は、甲状腺ホルモンが多く分泌され、血液検査の結果バセドウ病であるが、特有のリンパ球が甲状腺を攻撃しているという検査結果や甲状腺に炎症が見られることから、橋本病であるとされ、併発している診断になったと推測される。

 4月25日にデビュー40周年を迎える岩崎宏美、完治の難しい病気だが、「持病の一つと思って上手に付き合っていきたい」と話している。
(文=編集部)

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