>  >  >  > ストレスと過労? いつもと違う皮膚の痛みに注意!

季節の変わり目の皮膚の痛み 危険な帯状疱疹かも

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その皮膚の痛みは帯状疱疹かも?

 人気があってひっぱりだこの芸能人や、活躍目覚ましいスポーツ選手などが、突如「帯状疱疹」を発症して休養中――。そんな話題やニュースは珍しくない。

 雅子妃殿下が、2003年に帯状疱疹による入院を期に公務を控えられたことは有名だ。歌手の中森明菜さんも、2010年の帯状疱疹発症をきっかけに無期限活動休止に入った。最近でも大相撲で活躍する逸ノ城関が2014年の秋場所を欠場。元モーニング娘。の道重さゆみさん、元AKBの篠田麻里子さん、DA PUMPのDAICHIさん、落語の桂歌丸師匠など、近年だけでも枚挙にいとまがない。

 帯状疱疹の発症が話題になるのは、それが「過度なストレスや過労のバロメータ」として見られるからだ。実際、帯状疱疹は過労やストレスが引き金となる。誰にでも発症しうる病気だ。

 宮崎県が行う世界で最大規模の帯状疱疹の疫学調査によると、日本では1年間に約60万人が発症し、80歳までに3人に1人が帯状疱疹を経験するという。他人ごとではない。

 そもそも帯状疱疹は、子どもの頃に罹ることが多い水ぼうそうのウィルスが原因で起きる。このウィルスは、水ぼうそうが治癒しても実は体内の神経節(背骨近くの神経細胞が集まっているところ)に潜んでいる。

 健康な時は、免疫が働きウィルスを抑えている。だが、過労やストレス、加齢などで免疫力が低下すると、神経と皮膚を攻撃し始め、帯状疱疹を発症するのだ。

治療のカギは72時間以内の抗ヘルペス薬投与!

 初期症状の一番の特徴は、神経節に潜んだウィルスによる「痛み」だ。70~80%の患者で、「チリチリ」「ピリピリ」という痛みが発疹に先行する。しかし、この段階では病院を受診しても帯状疱疹と確定されるのは難しい。他の疾患が引き起こす痛みと区別がつきづらいからだ。

 帯状疱疹の場合、痛みが出てから5日以内に皮膚が赤くなったり、透明の水疱が出てくる。発疹は、神経帯にそって体の片側に帯状に現れ、体の反対側には出現しないのが特徴だ。

 英・チェルトナム総合病院の分析結果(1978~1986年に診察した患者1019人)では、発疹が出た人の56%が胸と背中だった。次いで「首から後頭部と腕」17%、「顔面」12%、「腰から足の前側にかけて」10%、「お尻から足の後ろ側」5%だった。

 治療の鍵となるのは、皮膚病変が出始めてから72時間以内に有効な抗ヘルペス薬の投与を始めること。神経を攻撃しながら増殖するウィルスなので、治療が遅れると後遺症として神経に痛みが残る。だから、早めの投薬でウィルスの増殖を防ぎ、症状の緩和や期間短縮が、後遺症への影響を小さくする(横浜市衛生研究所)。

 帯状疱疹に関する認識があれば、処置の遅れを回避するケースが少なくない。早期治療が行えるように、皮膚症状の段階で「帯状疱疹かも?」と疑えるように留意しておきたい。

 よくあるのが、皮膚症状が出る前の痛みによって皮膚科以外を受診し、診断されないケース。また、「ダニなどの虫さされ」「かぶれ」などと思い込み、市販の塗り薬で対処してしまうケースだ。

 帯状疱疹は、季節の変わり目や忙しい時など、体力が低下しやすい時期に気をつけたほうがいい。「発疹前の痛み」「皮膚だけでなく奥も痛い」「冷えると痛い」「片側だけに症状」などが当てはまったら、すぐに皮膚科を受診してもらいたい。
(文=編集部)

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