弱い刺激でも長い間受けることで発症する
網膜剥離は、老化だけでなく、目を強くこすったり、激しいスポーツや交通事故などで頭や目に強い力が加わったりするのも原因の一つ。糖尿病や高血圧など、ほかの疾患との合併症で起きることもある。また、もともと網膜の弱くなっている部分があって、そこに穴が開いて発症する人もいる。
次のような人は網膜剥離になりやすい。
●50代~60代
老化で眼球内のゼリー状の繊維が減ってくると、網膜が引っ張られて穴が開き、そこから剥がれてくる。
●強い近眼(強度近視)
極度の近視は眼球が長く変形し、網膜が引っ張られて薄くなる。すると、極端な例では、スマホなどの細かい目の動きや車の振動でも網膜が剥がれることもある。
●飛蚊症
早期発見の重要な兆候。網膜に穴が開くと、濁りやゴミとして見えることがある。急にゴミが見え始めた、ゴミの数が多くなったら注意。
●目をよくこする
弱い刺激を長い間受けることでも発症する。アレルギーやアトピー性皮膚炎などで目をこする癖がある人は気をつけて。
●高血圧、糖尿病、脂質異常
高血圧や糖尿病の人は、目の血流が悪くなって新しい血管が発生し、網膜を引っ張ってしまう。
初期症状の段階で受診すべし
網膜剥離の代表的な初期症状は、「飛蚊症」や「光視症」だ。飛蚊症は、実際は黒いゴミのようなものや黒い点が無数に見えたりする。光視症は、光が当たってないにも関わらず、光を感じてしまう症状をいう。
これらの症状の段階で受診できればいいが、放っておくと視野が狭くなり、視力の低下が表われる。ここまでくると網膜のダメージが広がっている証拠だ。手術をしても症状の改善が難しくなってくる。
普段、両眼で生活していると気づきにくい。たまには、片眼で見て、左右の差や普段と見え方に変化がないか自分でチェックしてみることも大切だ。そして、40代を過ぎたら年に1回の検診は行い、早期発見と早期治療に努めたい。
(文=編集部)