ダウン症候群治療の可能性をマウスで検証 出生前診断国際シンポジウムで

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実験では神経認知機能が改善

 具体的なアプローチとして、もっとも有力な物質として浮上してきたのが、「アピゲニン」という強力な抗酸化作用物質だ。野菜やフルーツに含まれる自然素材のフラボノイド(有機化合物)で、酸化ストレスと細胞のプログラム死(アポトーシス)を抑制し、血液脳関門を通過するため胎児の脳内にも到達できる。さらには神経構築を促進するなどの特徴がある。

 この物質をダウン症のマウスに交配時期と全妊娠期間を通じてえさに混ぜて投与した群と投与しない群に分け、生まれたマウスの生後8~10週で神経認知機能を評価した。この結果、投与した群での優位性が認められたという。つまり、何もしないダウン症候群に比して学習、記憶能力などが改善されたことになる。

 このアピゲニンはヒトの細胞増殖に対する毒性は見られず、ヒトのダウン症候群の羊膜細胞でも酸化ストレスの有意な低下を認めている。

 今後、ヒトにおける臨床試験へと進む困難な道のりが残されているものの、ビアンキ教授は「未来に対して窓を開いてあげることが出来るのではないかと考えている」と挨拶。一方、早稲田大学総合研究機構の福岡秀興教授(同社団理事)は「ダウン症候群の染色体を持ちながら発症しない例などもあり、今後ますますこの症候群の研究は進んでいくことが期待されます。また、胎生期における記憶障害改善の確立が、将来的には認知症の治療などにも繋がる可能性がある」と期待を寄せる。
 ダウン症候群の治療のという可能性が少しずつ現実味を帯びてきた。
(文=編集部)


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