頭痛の秘密がここまで解き明かされてきた

頭痛は大きく分けて1次性頭痛と2次性頭痛のふたつ、まずは頭痛のタイプを見分ける

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出典:国際頭痛分類第3版β版 医学書院2014より改変引用

 この記事を読んでいる方でも頭痛を起こしたことのない人はいないのではないでしょうか。実に日本人の4人に1人(約3千万人)が"頭痛持ち"といわれています。頭痛は、もっとも身近にある疾患ですが、くも膜下出血、脳出血、脳炎などの、生命にかかわる疾患も潜んでいる可能性があり、注意が必要です。とはいうものの身近にある頭痛は、風邪やインフルエンザなどに伴なって、発熱を原因として起こしていること多いです。ですから発熱症状が改善すると頭痛もそれに伴って改善します。これは感染症にともなった2次性頭痛と分類されます。このように痛みの強さ、痛む部位、持続時間など、一言で頭痛といってもさまざまな種類がありその原因も多様です。まずは頭痛の分類についてお話します。

 頭痛は大きく分けて、表のように「1次性頭痛」と「2次性頭痛」の2つのタイプに分けられます。採血や、頭部CT、MRI画像検査などをしてみても原因のみあたらない頭痛(原因のない頭痛)は「1次性頭痛」と分類され、ふだん起きる頭痛の大半は、この「1次性頭痛」が占めています。時間の経過で良くなったり、悪くなったりすることが多く、慢性に何度も頭痛発作を起こすタイプが多くなります。代表的な頭痛としては「片頭痛」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」の3つに分類することができます。

代表的な1次性頭痛は「片頭痛」、「緊張型頭痛」、「群発頭痛」

 片頭痛の頻度は、程度もありますが成人人口の10%前後にみられると考えられています。緊張型頭痛は20〜30%程度の頻度ですが、実際に医療機関を受診する数は、頭痛の強度、頻度にもよるものの、全体の人数から考えると少ないとされています。群発頭痛ともなると、その頻度もかなり少なく、全国での正確な患者数はつかめていません。ただし、片頭痛と群発頭痛は筋緊張型頭痛とくらべて、頭痛の強度が強く医療機関を受診することで改善することも多いため、正確な診断をすることが重要になります。

 片頭痛は男性よりも女性に多くみ見られるのが特徴です。女性は男性の約4倍も多く、その原因として、頭痛の発症に女性ホルモンが影響していると考えられています。片頭痛は、血管性の頭痛ですから心臓の動悸に合った拍動性のズキンズキンとする痛みが特徴です。頭の片側に限らず両側、あるいは後頭部にも発作的に出ることがあります。

 緊張型頭痛は肉体的、精神的ストレスが原因のことが多く、こめかみの所にある側頭筋や首の頸筋、肩の僧帽筋が緊張して起こるものです。夕方に起こることが多くそれほど強いものではなく、生活は続けられますが集中力がなくなります。気持ち悪くなる人は多くいますが、嘔吐する人は少ないです。最初はストレスが原因となりますがだんだん習慣性になってきます。

 群発頭痛は非常に激しい痛みの頭痛です。通常は1年〜数年に、数週〜数カ月続きます。この期間(群発期)は1日に1~2回眼球をえぐられるような耐え難い痛みが15分~3時間ほど続きます。片側で、同じ側の目の充血、涙が出る、鼻汁が出るなどの自律神経症状を伴うことが多いです。飲酒やたばこを吸う若い男性に多く、緊張から開放された時や、睡眠後1時間半くらい経ってから起こることが多いものです。

西郷和真(さいごう・かずまさ)

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授、近畿大学医学部附属病院神経内科。1992年、近畿大学医学部卒業。近畿大学附属病院、国立呉病院(現国立呉医療センター)、国立精神神経センター神経研究所、米国ユタ大学博士研究員(臨床遺伝学を研究)、ハワードヒューズ医学財団リサーチアソシエイトなどを経て、2003年より近畿大学神経内科学講師および大学院総合理工学研究科講師(兼任)。2015年より現職。東日本大震災後には、東北大学地域支援部門・非常勤講師として公立南三陸診療所での震災支援勤務も経験、2014年より現職。日本認知症学会(専門医、指導医)、日本人類遺伝学会(臨床遺伝専門医、指導医)、日本神経学会(神経内科専門医、指導医)、日本頭痛学会(頭痛専門医、指導医、評議員)、日本抗加齢学会(抗加齢専門医)など幅広く活躍する。

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西郷和真
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