優先席付近での「携帯電話の電源オン」 関西では解禁され、関東はいまだNGの理由とは?

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【ビジネスジャーナル初出】(2014年9月)


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ついに電車内での携帯電話使用が解禁か?


 「優先席付近では携帯電話の電源をお切りください」というアナウンスは、全国どこの電車内でも耳にする。ところが、2014年の夏、関西でこのアナウンスが消えた。

 7月1日、関西の私鉄24社が加盟する関西鉄道協会と西日本旅客鉄道(JR西日本)が優先席での携帯電話電源オフキャンペーンを中止。阪神電鉄では03年から携帯電話電源オフ車両を走らせていたが、これもなくなった。他社との相互乗り入れがあるため、関西全域で統一したほうが乗客への浸透もスムーズにいくと考えたからでもある。

 なぜ、優先席での携帯電話の電源オフキャンペーンがなくなったのか。それは12年7月、電波出力が強くペースメーカーの誤作動を誘発する危険があるといわれていた2G(第2世代)と呼ばれる携帯電話のサービスが終了したからだ。これに続く3G(第3世代)携帯は、25種類のペースメーカーを対象に測定を行なったが、携帯電源から3cm以上離れれば、影響がないことが判明した。そこで関西の電鉄各社は、混雑時のみ携帯電話の電源を切るよう、乗客に注意を促すことにルールを改めたのだ。

 実は、これまで携帯電話が原因でペースメーカーが誤作動を起こした例は1件も見られないという。それなのに、正義感が強く血の気の多い関西地域では、優先席付近での携帯電話の使用をめぐってのトラブルがあとを絶たなかった。こうしたことも解消されるのだろう。ただ、携帯電話の電源オフを促すアナウンスがなくなって、ペースメーカーの誤作動が心配だという人もいる。

●関東は100%安全性を確認できてから解禁?

 一方、関東では今のところ、これといった動きはみられない。関西での携帯電話の電源オフの見直しについては、きちんと認識しているにもかかわらず、関東の電鉄各社はこれまで通り、優先席付近の電源オフを継続するつもりだという。

 それは、関西と関東では電車の混雑具合が大きく異なるからだ。関西は朝夕が混む程度だが、関東は時間や上下線に関係なく日中も混んで、優先席付近まで人があふれかえる路線もある。携帯電源とペースメーカーが3cm以上離れれば影響がないといっても、電鉄各社は安全性が100%確認できなければ、携帯電話の電源オンを解禁しないようだ。

 優先席については、携帯電話の電源の問題だけでなく、ハンディキャップのない人がシートを占領してしまうなど、乗客からのクレームは少なくない。これが乗客同士のトラブルに発展することもある。

 これを受けて、やはり関西の阪神電鉄、能勢電鉄、神戸電鉄では、1999年4月より優先席を廃止している。決して優先席が必要ないというわけではなく、全車両の全座席が優先席である、という考え方だ。つまり、優先席がなくとも高齢者や身体障害者など席を必要とする人がいたら、すすんで席を譲るのが当然という原則である。

 関東でも、横浜市営地下鉄、横浜新都市交通がすべての座席を優先席としている。ただし、携帯電話の電源についての対応はまちまちである。

 エスカレーターの乗り方も関東と関西では異なる。関東は左側に乗り、右側を歩く人のために空けておくのだ。関西では右側に乗るのがマナー。エスカレーターの場合は左右どちらでも大きな違いはないが、混乱やトラブルを回避するためにも、優先席での携帯マナーは全国的に統一することが望ましいだろう。
(文=チーム・ヘルスプレス)