東京都「バリアフリー条例改正案」車椅子で利用できない、アレルギー対策は手付かず

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マリオット、ヒルトンなど巨大ホテルグループが導入の「ピュアルーム」

 日本でも一部のホテルでは高濃度プラズマクラスター発生の空気清浄機や、ダニ防止の寝具などで「クリーンルームプラン」などとPRするホテルがないことはない。

 しかし、世界の潮流はすでに1歩も2歩も前に進んでいる。

 2月12日付「New York Times」によると、旅先での食事やアクティビティを通して心と体の健康を保つ「ウェルネストラベル」への関心が高まり、ホテル業界で「ピュアルーム」などとよばれる空間除菌清浄ルームの導入が急増していると報じている。

「ピュアルーム」は、菌やウイルス、シックハウス症候群の原因となる揮発性化合物、ダニの糞や死骸、ハウスダストなどのアレルゲン物資を集塵し、不活化する高機能の空間除菌清浄機(DFSシステム搭載)を中心に構成されている。

 たとえば世界最大のホテルチェーンであるマリオット・インターナショナル、第2位のヒルトン・ホテルズ&リゾート、このほかにもハイアット・ホテルズ アンド・リゾーツなどが米国内を中心にすでに「ピュアルーム」を導入している。

 米国のコートヤード・アトランタ・アルファレッタ(マリオットホテル)のピュアルームの紹介ページでは、DFSシステム搭載の空気清浄機を中心に、1時間に少なくとも4回、完全に空気を循環。空気中に漂う99%の不純物を濾過。すべての寝具と枕はカビや胞子を寄せ付けない仕様で、低アレルギー性であること。徹底的な消臭も実現。6カ月ごとに再評価され、部屋がピュアであることが保証される、などとしている。

 実は、この「ピュアルーム」は、日本では2013年にヒルトン大阪に導入されている。アレルギー疾患を持った宿泊客や乳幼児、受験シーズンに風邪をひきたくない学生などに一定の評価はあったようだが、通常の部屋よりもわずかに料金が高いためか数年で姿を消している。あるいは導入が早すぎたのか、日本人のアレルギー対策の意識が低すぎたということもいえるかもしれない。
 
 アジアではすでにアンバサダーホテル台北、グランドハイアット・ソウル、グランドヒルトン・ソウル、ヒルトン北京などですでに導入されているが、国内のヒルトンホテルでは、現時点でそうしたアレルギーフリーの部屋はないという。マリオットホテルの予約サイトでも日本ではピュアルームが見当たらない。世界的なホテルチェーンが海外で続々とピュアルームを導入しているのに、日本法人だけが取り残されているのはなんとも不思議だ。

慢性の呼吸器疾患を持つ宿泊客にとっても空気清浄は重要

 もともとこのピュアルームの中核をなすDFSシステムは、今後起きるであろう細菌戦争に備え、米政府の軍事補助金で開発された技術だという。FDAの「クラス2分類医療機器」に認定されているのも、そのスペックの高さゆえだろう。

 一般的な空気清浄機の上位機種に採用されている基本技術は、HEPAフィルターという高性能フィルターだが、このDFSシステムはHEPAフィルターの約40倍の効率で空間を清浄化するという。大手ホテルチェーングループのみならず、アメリカでもっとも評価の高いメーヨー・クリニックやクリーブランド・クリニックにも導入されているというが、その殺菌能力の高さからだろう。

 ちなみに、DFSシステムを搭載した空間除菌清浄機「mediAir」が最近、日本でも発売されたという。

 部屋の空気の正常化の効果は何もアレルギー疾患のためだけではない。COPD(慢性閉塞性肺疾患)、間質性肺炎、肺気腫、慢性気管支炎などの慢性の呼吸器疾患がある人にとって、あらゆる浮遊物質が喘息発作を誘発する可能性がある。症状を急激に悪化させる風邪に十分な注意をする必要もあるのだ。ホテルの室内は非常に乾燥しているため、ウイルスに感染しやすい環境になりがちでもある。

 政府は東京オリンピック・パラリンピック開催の20年に訪日観光客4000万人の目標を掲げている。アレルギーの問題を抱えている人も少なくはない。なんとか入り口にたどり着いた食品アレルギー対策と同時に、ほかのアレルギー疾患への対策も喫緊の課題だ。
(文=編集部)

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