心筋梗塞は1時間以内の救急処置が要 旅行中でも15分以上続く痛みは躊躇せず電話を

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「心筋梗塞から1時間以内の救急処置」が救命の要

 厚労省「平成29年人口動態統計」によると、日本人の死亡率は、がん27.9%、心疾患15.3%、脳血管疾患8.2%、老衰7.6%、肺炎7.2%。循環器疾患(心疾患と脳血管疾患)の死亡率(23.5%)は、がんに匹敵する高率だ。
 
 なかでも急性心筋梗塞は、病院搬入までの死亡率が極めて高い。急性心筋梗塞の死亡率を抑制するためには救急現場に居合わせたバイスタンダーの適切で速やかな処置が重要になる。
 
 急性心筋梗塞を発症すると、胸痛の後に心停止を起こす。胸痛から心停止までの時間は、1時間以内が約86%(うち瞬間死25%)なので、発症から1時間以内に適切な処置を行い、専門病院に搬送することが何よりも緊急になる。
 
 心筋梗塞の救命率を上げるには、①迅速な発見・通報、②迅速な救急隊トリアージ(治療の優先順位決定)、③迅速な救急室初期対応、④迅速な再灌流療法の「救命の連鎖」が鍵。
 
 特に詰まった冠動脈を再開通させる再灌流療法を発症1時間以内に実施すれば、治療しなかった群よりも死亡率が最も低下している。

心停止したら、まず119番通報、胸骨圧迫、AEDが生死を分ける

 このような心筋梗塞の救命に欠かせない緊急行動は何か。
 
 まず、心筋梗塞の発症が疑われる場合、救命は発症から1時間が鍵となる点を忘れず、119番通報して救急車を呼ぶ。また、急性心筋梗塞の発症者のうち、突然の発症35%、前兆となる不安定狭心症32%、狭心症33%なので、これらの前兆を見逃すと恐い。

 もし心停止が確認できた場合は、救急隊到着まで心肺蘇生のための胸骨圧迫(心臓マッサージ)を行わなければならない。
 
 2007年に野々木氏を含む日本の2つのグループは、「人工呼吸を含めた心肺蘇生法(CPR)に比べて胸骨圧迫の効果は同等あるいはそれ以上である」とする論文を発表。
 
 米国心臓協会(AHA)は研究データをガイドラインに反映し、両手で胸骨圧迫する「ハンズ・オンリーCPR」をバイスタンダーに推奨している。近くに自動体外式除細動器(AED)があれば、胸骨圧迫の後にAEDを使うことも忘れてはならない。
 
 2006年の総務省消防庁のデータによると、心原性心停止を起こした人の1カ月生存率は、一般市民がAEDを使用した場合32.1%、使用しなかった場合8.3%であった。AEDの有効性は明らかだ。
 
 しかし、バイスタンダーにはどうしようない課題もある。心停止から専門施設搬送までの時間は、救急車で循環器救急専門施設へ直接搬送された場合でも1.5時間かかる。しかも直接搬送は32%にすぎず、残りの68%は専門施設到着までに4~8時間もかかる。循環器疾患の超急性期診療システムの構築が叫ばれるゆえんだ。
 
 日本循環器学会は、循環器救急医療の均てん化(格差の是正)を図るために、AED普及、蘇生科学、心肺蘇生法トレーニング、循環器救急医療制度の4つの小委員会で構成する「循環器救急医療に関する委員会」を設立。小中学生を対象にした心肺蘇生法の講習を進めている。

  救命の鍵はバイスタンダーの迅速かつ適切な行動だ。GW中に近親者が目の前で心筋梗塞を起こしたら、まず119番通報、胸骨圧迫、AEDを忘れないで欲しい。(文=編集部)

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