掴みにくい悪徳業者の実態
フェイク広告を駆使する悪徳業者が根絶されない理由のひとつは、「責任の所在が曖昧」だからだ。
たとえばフェイク広告の場合、広告主・広告代理店・広告媒体の3者が関わる。仮に被害者が通報しても、確信犯ならば、「(広告主・代理店)うちは悪くない。広告媒体が勝手にやった」「(広告媒体)質の悪い商品を作る広告主が悪い」などと責任逃れをするだろう。
もし、罰せられても、悪徳業者が会社や商品、サイトなどの名前を変えれば、再スタートは容易だ。
騙されやすいダイエッターの心理状態を利用
ダイエット商品の門外漢ならば、「なぜ、こんな怪しげなフェイク広告に引っ掛かるのか?」と不思議に感じるかもしれない。
だが、ダイエットしたい人の多くは、少しでも楽に効率よく痩せたいものだ。フェイク広告はダイエッターのそんな心理状態を見透かし、巧みな誘い文句で狙ってくるのである。とはいえ、この世は悪徳業者ばかりではない。当然、良心的な企業や監督官庁、消費者団体などが目を光らせている。
手前味噌だが、「ダイエットカフェ」も本音の口コミを多数公開することで、騙される人を減らす一助となっていると信じている。
業界内の規制や法の整備、消費者団体の啓発活動、ユーザー間による情報交換など、さまざまなアプローチを組合せていくことが、現実的なフェイク広告の対処法といえる。そして、もっとも効果的なのは、ダイエッター自身が「世の中うまい話はない」と冷静に判断できる、賢い消費者になることだ。
(文=福田尚広)
福田尚広
株式会社T.M.Community 代表。北海道大学農学部を卒業後、オージス総研に就職。金融システムなどにプログラマーとして携わったのち、独立してさまざまなWebサービスを立ち上げる。現在、日本最大級のダイエット口コミサイト「ダイエットカフェ」を運営中。ダイエット商材に関する光と闇、人気の商品の傾向、口コミサイト運営などに詳しい。
twitter:@dietcafejp