ジャズ喫茶やパチスロ店でも禁煙店
東京五輪/パラリンピックの直前である2020年4月に施行される「受動喫煙法」を視野に、日本の飲食店業界の「喫煙/分煙/禁煙」勢力図がどのように塗り替えられていくのかも、大いに注目されるところだ。
「串カツ田中」の英断と成功例に伴走したかのような全面禁煙化の流れは、《タバコと相性が濃い》が濃い印象の分野でもじわじわと浸透中のよう。
その一例として、東京・吉祥寺の老舗ジャズ喫茶『メグ』は、店主交代にともない「全面禁煙店」に大きく舵を切った。
マーケティング会社経営の新店主に引き継がれ、今年4月に新装営業を始めた『音吉!MEG』が大きく謳うのは、「全面禁煙」だ。
ジャズと珈琲と喫煙――ジャズ喫茶の愛好家には、この3点はピアノ・トリオのごとく定番セットだろう。全面禁煙となれば、他店へと移動する常連客がいても不思議はない。そのリスクを踏まえての決断となる。
一方で、タバコとの相性度や紫煙量で突出するのがパチスロ店。ところが、そんな業界の中でも、法律の全面施行にいち早く取り組んだ企業がある。
その話題の店舗は、株式会社プレジャーが経営する「健康パチンコ(R)WESTEND」。《受動喫煙ゼロ宣言》を謳う同店では今年9月1日より、従来は喫煙できたスロットフロアも全席禁煙に踏み切った。店内に2カ所の喫煙ブースと喫煙ルーム1室を完備し、喫煙者/非喫煙者の双方に快適な遊戯空間を提供している。
またネット上でも、金沢市が受動喫煙防止のために、「禁煙店舗認証制度 認証店一覧」という専用サイトを設けたり、屋内完全禁煙の美味しい飲食店を応援する登録サイト「Quemlin(ケムラン)」が注目されたりしている。今や世の中全体が、「無煙」傾向にあることは間違いないようだ。
(文=編集部)