同性愛を公表した勝間和代さん(画像は公式HPより)
著作累計発行部数500万部超といわれる売れっ子作家・勝間和代さん。今回のカミングアウト報道を機に、優に50冊を超える単著のタイトルを検証してみると、あらためて「本音」を「本気」で貫いてきた女性なんだなということがよくわかる。
そもそも、初のソロ著作(「ムギ」名義)のタイトルが、『インディでいこう!――ナチュラル&インディペンデントな生き方実践ガイド』なのだから――。
しかし、そんな『不幸な生き方』(以下、2重鉤括弧内は著作名)からの脱却を説く前向き作家にも、『まじめの罠』にハマった歳月があった。
「私は高校、大学、社会人と定期的に女性が好きになったことがあるんですが、それはいけないと蓋をしていた」
これは自身のブログ上で、「同性パートナー」との同棲事実と相手の実名&ツーショット写真を公開した5月28日に生出演したTOKYO MX『バラいろダンディ』で、勝間さんが明かした「規範意識」の呪縛告白だ。
日本では「13人に1人」が性的少数者
16年5月実施のネット調査(LGBT総合研究所調べ)によれば、5.9%がLGBT当事者だった。彼(彼女)らにカミングアウト経験を問うと、LGBT以外の友人に打ち明けた比率が13.0%、家族が10.4%、職場関係が4.3%と想定内の最も低い結果を示した。
《同性を好きになることはずっと悩んでいたことですし、また、お付き合いが始まってからも、人にそのことを言えないことを悩んでいましたが、その2つの事実を公開することで、私も楽になるし、周りにも同じような悩みの人のヒントになる可能性があると思ったからです》(勝間さんのブログ投稿から=原文ママ)
一方、電通ダイバーシティ・ラボの2015年調査によれば、(LGBTを含む)性的少数者の該当率は7.6%。その「13人に1人」という数値は、左利きやAB型の人の割合に相当するそうだ。
「『マジョリティが社会的に勝ち組で正しい』っていうことは絶対にないと、私は思っています!」
これは、イベント史上最高の来場者数(約14万人)を記録した今年5月のTRP(東京レインボープライド)にライブ出演した際の、歌手・浜崎あゆみさんの印象的な発言だ。
しかし、このコトバを逆説的に拝借するならば、今回のカミングアウト騒動は、「社会的に」明らかな「勝ち組」である勝間さんが「マイノリティ」であることを英断告白した点こそが「正しい」のだろう。