iQOSのライバル日本タバコ産業(JT)発のPRスポットが!
さて、ファストフードチェーンの「モスバーガー」が、全店舗(約1350店)を2020年3月まで完全禁煙にすることを発表した。「串カツ田中」に至っては、6月1日からほぼ全店舗(約180店舗中:面積の狭い約20店舗を除く)の全席禁煙に踏み切る。
チェーンの居酒屋が全席禁煙の英断を下したのは稀少だと話題を呼んでいる。
そんな時節柄、他ではあまり見かけない「PloomTECH only(プルームテック・オンリー)」なる表示を掲げる店舗が、原宿や渋谷といった若者が集まる繁華街にできたのをご存じだろうか。
電源もWi-FiもOK、一人席もあればコピー機や付箋まで無料でどうぞ――。しかもご飯類も美味しく、作業空間やミーティングスペースも完備というから、看板の「PloomTECH only」を解さない非喫煙者ならば、思わず誘われて入店しちゃうかも……。
この店舗こそがiQOSのライバル的存在である日本タバコ産業(JT)発の新型タバコ「ブルームテック」のPRスポットなのである。店の名は『RETHINK CAFE SHIBUYA』。
空間プロデュースを手掛けたのは『Soup Stock Tokyo』などを展開するスマイルズ社。運営主体は別会社だが、「クリーン&ハングリー」をテーマにJTの協賛で営まれているそうだ。
「健康増進法改正案」今国会で成立は厳しい!?
さて「これがすべてを変える。」とは過去記事でも引用したiQOSの自信あふれる謳い文句だ(参考:加熱式タバコ「iQOS(アイコス)」を米食品医薬品局が否定!?)。
非喫煙陣からしたら、受動喫煙対策を推進する加藤勝信厚労相たちにこそ、胸張ってそう述べてほしいような標語ではないか。
政府は3月9日、同対策を強化する「健康増進法改正案」を国会に提出し、成立を目ざした。しかし迷走気味である「働き方改革」の審議優先のため、会期延長がないかぎり今国会成立は困難になってきた。
来たる5月31日は何の日か? そう、毎年5月31日は世界保健機関(WHO)が制定した「世界禁煙デー」である。
「Ban tobacco advertising, promotion and sponsoship(タバコの宣伝、販売促進、スポンサー活動を禁止しよう)」
これは2013年の世界禁煙デーに際し、WHOが掲げたテーマだった。ただし当時、日本では、そのテーマを踏襲することなく、「タバコによる健康影響を正しく理解しよう」という何とも抽象的なオリジナル標語に差し替え、タバコ業界に対する忖度が囁かれた。
それから今年で5年の歳月を数えるが、いったい何歩、当時のWHO理念に近づけたのだろうか? 市場規模にして9割のiQOS喫煙者が存在するこの国は……。
(文=編集部)