今井トレーナーが推奨する健康法〜「歩く」ことは健康の基本
かつて今井トレーナーは、プロアスリートではなく一般の人を対象に、針灸マッサージを行なっていた時期がある。「1日に60人とか見ていたんです。結構な田舎で、農家の年配の人が多かった」とのこと。その時に「歩くこと」の重要さに気がついたという。
「農家のお婆さんには、膝や腰が曲がっている人が多かったんですけど、その中で背筋がピンと伸びていて関節も曲がっていない人がいる。『この違いは何だろう?』と思って調べていくと、『がに股になって膝や腰が曲がっていく人は、あまり歩かない』ってことに気がついたんです。ピンと伸びている人は、よく歩いているんです。歩くことはすごく大切。健康の基本だと思います」
歩かないと体の筋肉も落ちる。栄養も取れなくなる。それで最後は寝たきりになる。
「歩くのが一番大切なんです。簡単そうで、実は一番難しいことかもしれません。1日45分歩くだけで全然違ってくると思います。45分を越えると疲労を起こすといいますから、その手前くらいが1日に歩く時間としては一番いいでしょうね」
疲労回復には「風呂に入って寝る」が一番!
また疲労回復には「風呂に入って寝るのが一番いい」という。
「選手たちは『シャワーだけでなく、お湯をためて入りたい』と言いますから、そのほうが疲れが取れるんでしょう。ちょっとでも水圧をかけてあげたほうが、身体にはいいんだと思います。温度も大切で、45度を超えると交感神経が働いてしまう。通常は40度、寒いときは43度くらい」
疲労回復に有効な「肩の体操」
データ的には36度くらいがいいという結果も出ているというが、「それだとさすがに寒いので、逆にストレスになってしまう可能性があります。ぴりぴりする熱さのお湯じゃなければいいと思います」という。
最後に一般の人も簡単にできる疲労回復に有効な「肩の体操」を教えてもらった。
「大事なのは肩甲骨を動かすこと。指先が肩の位置に付くようにして、肘を肩よりも下げないように注意しながら、円を書くようにして肩を回すんです」
肩を動かすことは肩甲骨を動かすということ。これを1日何回かやるだけでいい。疲労回復だけでなく、ケガの予防にもなるという。
(取材・文=名鹿祥史)