殺人ウイルスの研究を米国立衛生研究所が支援!? 生物兵器が拡散する恐れも

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「致死性ウイルス作製」への財政支援を3年ぶりに解禁

 しかし、話を再び昨年の米国内に戻してみる――。12月19日、米国立衛生研究所(NIH)が、2014年以来、3年ぶりに「致死性ウイルス作製」研究への財政支援の解禁を発表した。

 「今回の解禁でベネフィットがリスクを上回ると判断されれば、研究の一環としての致死性ウイルス作製が今後は可能になる」(NIH局長:Francis Collins氏の談話)

 NIHが認める対象は、ウイルスを改変して「致死性を高める操作を伴なう研究」。たとえば、鳥インフルエンザが突然変異してヒトにも容易に感染するようになるメカニズムの解明に役立つとか、そのワクチンの開発につなげる成果が期待されている。

 前出のCollins局長が『New York Time』紙上で語った見解によれば、「(認可される研究は)いずれも科学的探究を目的とし、その正当性が認められた場合にのみ、厳重な安全管理下で実施されることになる」。

 つまり、研究の健全性はもとより、ワクチン開発に象徴される「ヒトに有益な知見をもたらす」点が明らかにされ、「これ以上の安全な手段はない」という根拠を示す厳正さが研究陣に問われる新規則なのだ。

殺人ウイルスの研究でパンデミック発生も

 米国の場合、2014年に3種類のウイルス(インフルエンザ/中東呼吸器症候群:MERS/重症急性呼吸器症候群:SARS)の「改変=致死性を高める研究」が、連邦政府による財政支援停止に伴い、ストップをかけられていた。

 『New York Time』紙は「今回のNIHの解禁発表で、それらの研究再開のみならず、(理論的には)空気感染するエボラウイルス作製の研究も可能だろう」と論評している。

 一方、生物兵器事情に精通する米ラトガース大学のRichard Ebright氏(分子生物学者)は「研究の許可に際して審査委員会を設ける点は支持できるが、それは政府ではない第三者によるものがより望ましい」と警鐘を鳴らす。

 さらに、米ハーバード大学公衆衛生大学院のMarc Lipsitch氏の場合、「正直この種の研究がパンデミック(大流行)対策に寄与した例はほとんどないに等しい。その一方で、(管理面や保管方法の不手際から生じた)不慮の事故によるパンデミック発生のリスクは上昇させるのではなかろうか」と、その懸念は手厳しい。

 こうした新型ウイルスが適切に保管されず、手違いで研究施設から流する事態となれば、それこそ何百万人もの生命が危険に曝されかねない……。

 トランプ一家に送られた「白い粉」騒動は一件落着しても、NIHによる解禁報直後の事件だけに、その「他愛ない正体」が判明しても、「やれやれ」とは笑い飛ばせぬ後味の悪さは拭えない。
(文=編集部)

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