自分の酔い方がおかしければアルコールを変えてみる
アルコールの作用には男女差もみられ、男性よりも女性の方がアルコールによってポジティブあるいはネガティブな感情を抱きやすい傾向が認められた。しかし「攻撃的な気分」だけは例外で、飲酒した時にこのような気分になる確率は女性よりも男性の方が高かった。
さらに、アルコール依存症患者は飲酒によってポジティブな気分になる確率が高いことも示された。例えば、飲酒した時に活力がみなぎると回答した人の割合は、依存症でない人の5倍であった。ただし、アルコール依存症患者では飲酒した時に攻撃的な気分や疲れなどネガティブな気分を味わう確率も高かった。
「自分の酔い方に問題があると感じる場合は、飲む酒を蒸留酒からビールや赤ワインに変えるのも場合によっては有効である」とBellis氏は助言する。ペースを守って飲み、アルコール度数の低い酒やノンアルコール飲料を選ぶのもよいという。ただし、アルコール依存症の人の場合は1杯飲めば抑制できなくなる可能性が高いため注意が必要だと専門家は呼び掛けている。
一般的にはアルコールはダウナー系といわれる。ダウナーとは沈静系の薬で、飲むと気分が落ち着いてほぐれる。アヘン、コデイン、モルヒネ、ヘロインなどがこれに当たる。逆に高揚して覚醒するのがアッパー系だ。アンフェタミンやヒロポン、カフェインといわれる。ただし、ダウナーによって抑え込まれた脳は、その分バランスを取ろうと覚醒に動くこともある。脳とは非常に不可思議だ。
(文・編集部)