米国では鼻の美容整形に肯定的?(depositphotos.com)
秋を迎えてから、何やら妙に「整形」の話題が散見される。
まずは、TV番組の収録後にふらりと美容整形に飛び込んで「100万円(=その時の所持金)以内で好きに変えてください!」と無茶ぶり(?)の整形手術を敢行したと自己申告したのが、元プロ野球選手の新庄剛志さん。
「マイケル・ジャクソンにしてください」とも注文したようだが、理由も「(自分の)顔に飽きて、めちゃ変えたかった」というから、いかにも新庄流仰天哲学である。
一方、整形疑惑がかけられたのは、人気俳優・菅田将暉さん。<鼻先を尖らせる>美容整形は、現在、韓国でも流行中というが――。羨ましくも、生来この<アップノーズ>の持ち主である菅田さんに、ネット上で整形疑惑の声が多発しているという。
菅田さんが出演したTV番組『しゃべくり007』(日本テレビ系)、当初は「怪しい」と談話していた美容整形の専門家が、鼻の中の手術痕などをチェック。結果、「美容整形、してません」と裁定し、菅田さんも「よかったです」と苦笑いした後、カメラに向かって「俺、やってない!」と訴えた次第。
鼻の美容整形で「魅力的」「健康な成功者」として認識される
そんな菅田さんの話題に呼応したわけではなかろうが、『JAMA Facial Plastic Surgery』(10月19日オンライン版)に「鼻の美容整形には、どの程度の価値があるのだろうか?」という素朴な(?)疑問を追った調査結果が掲載された。
こういう調査が実施される背景には、米国内では鼻の美容整形(鼻形成術)が決して珍しい手術ではないという事情がある。米国形成外科学会(ASPS)によれば、2016年の米国内では年間22万件以上の鼻形成術が施され、それはほぼ脂肪吸引の件数と肩を並べる結果だったという。
鼻整形術の効果調査を行なったのは、米ジョンズ・ホプキンズ大学医学部形成外科学准教授であるLisa Ishii氏らの研究班だ。解析の結果、鼻の美容整形を受けた患者は、他者の眼に「魅力的」と映るばかりではなく、「健康で成功している人物」として認識させる効果も生んでいる可能性が示唆された。
「鼻の美容整形を望む人の場合、その多くが、自分の外見に対する自らの(改善)認識のみならず、他者(から)の見方も変えたいと考えている。では、実際に他人の見方がどのように変化するものなのか、我々はその点を明らかにしたかった」(Ishii氏)
今回のオンライン調査に協力した男女473人(平均年齢29歳、うち女性70.8%)はいずれも、鼻形成術を受けた患者とは特に関係のない人々だ。
彼ら回答者は、鼻形成術を受けた患者13人の「術前」及び「術後(6週間以上経過後)」の写真を見せられ、それぞれの外見評価を100点満点の視覚的アナログ尺度(visual analog scale:VAS)でジャッジした。
全回答を解析した結果、VASによる「術前」→「術後」の各平均スコアは、「魅力面」に関しては「50.32点→56.46点」にアップ。「成功(している人物と映る)面」については「58.23点→61.49点」にやはり上昇、また「健康面」に関しても「61.32点→65.19点」へと好印象を生んでいた。
「この研究結果から、改善の度合いが大きいのは明白。つまり、魅力的な人ほど成功者として映る。鼻形成術を希望する患者にとって有益な情報だといえるだろう」(Ishii氏)