マインドフルネスにうつ病治療の効果なし!?科学的根拠がないまま10億ドル規模の産業に

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マインドフルネスによる瞑想法とは?

 このような記事に触れるたびに、人生のトレードオフ(二律背反)の現実に悩まされ、効果があるのか、ないのかに頭を抱えてしまう。

 ところで、マインドフルネスの語源はパーリ語の「サティ(sati:スムリティ)」で、特定の物事を心に常に留めておくこととか。つまり「念・気づき(awareness)」だろう。執着心を捨て、中立的な立ち位置で注意を集中する仏教の瞑想に通じる境地がマインドフルネスだ。瞑想を深めると、心が定まり、何事にも惑わされない定(じょう)のトランス状態に至る。

 マインドフルネスの権威者とされるジョン・カバット・ジン氏は「今この瞬間に、偏った価値判断を加えることなく、意図的に、能動的な注意を向けること、そしてそこから得られる気づき」と定義する。だが、定義より実践だ。

 NHKスペシャル「ストレスから脳を守れ 最新科学で迫る対処法」で紹介されたメソッドを試してみよう。

 まず、最初は10~15分を目安に始める。

①背筋を伸ばし、両肩を結ぶ線がまっすぐになるように座り、目を閉じる。脚を組んでも、正座でも、椅子に座っても良い。背筋が伸びて、その他の体の力は抜けているような楽な姿勢を見つける。

②呼吸をあるがままに感じる。呼吸をコントロールしないで、身体がそうしたいようにさせる。呼吸に伴ってお腹や胸がふくらんだり縮んだりする感覚に注意を向け、その感覚の変化を追いかけていくようにする。心の中で、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」などと実況すると感じやすくなる。

③わいてくる雑念や感情にとらわれない。「仕事のメールしなくては」「ゴミ捨てなければ」などの雑念が浮かんだら「雑念、雑念」と心の中でつぶやき、考えを切り上げながら、呼吸に注意を戻す。

④身体全体で呼吸するようにする。注意のフォーカスを広げつつ、「今の瞬間」の現実を幅広く捉える。吸った息が手足の先まで流れ込んでいくように、吐く息が身体の隅々から流れ出ていくように感じながら、「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続ける。

⑤身体の外にまで注意のフォーカスを広げていく。さらに、自分の周りの空間の隅々に気を配り、自分を取り巻く部屋の空気の動き、温度、広さなどを感じながら、さらに、部屋の外の音などにも気を配る。同時に「ふくらみ、ふくらみ、縮み、縮み」と実況を続ける。

⑥瞑想を終了する。まぶたの裏に注意を向け、そっと目を開ける。伸びをしたり、身体をさすったりして、普段の自分に戻る。

 いかがだろう。何か気づきを感じただろうか? ただし、うつ病などの治療を受けている人は、医師に相談してから試してほしい。

 さて、世界に充満する幾千幾万もの健康法。何から何まで試しているほど人生は長くない。マインドフルネスも瞑想も座禅もランニングもダイエットも、決めるのは、あなたの感性だ。他人の服や靴が身に添わないように、健康の王道は自分で気づき、見つけるほかない。
(文=編集部)

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Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

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難波紘二

小笠原記念札幌病院腎臓内科。日本中毒学会認定クリ…

横山隆

フリージャーナリスト。1949年、東京都生れ。法…

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