火葬後の「残骨灰」は宝の山!処理業者が狙う金・銀・プラチナなどの有価金属は誰のもの?

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残骨灰の中に眠る、金、銀、プラチナなどの有価金属の利益(宝の山)を狙う自治体や処理業者が後を断たない(depositphotos.com)

 生老病死は世の常。死ねば荼毘に付され野辺の送りが待つ。火葬し収骨した後の粉砕された白骨の寒々しさ――。だが、寒々しいのは語感だけではない。利欲のためなら「骨の髄までしゃぶる」……。そんな浅ましさの限りを尽くす、愚かな人間の業欲を見せつけられたニュースがある。

 火葬後、遺族が遺骨を拾い上げると、火葬台におよそ2kgの微小な残骨灰(ざんこつばい)が残る。残骨灰は、遺族や近親者が収骨の儀礼を終え焼却場を去れば、所有権は自治体に移る(1939年、最高裁判所判決)。自治体は、責任と裁量に従って処理業者に処理を委託。骨や金属などに分別し、リサイクルできる金属はリサイクルして換金した後、供養・廃棄する。

 ところが、残骨灰が「宝の山」になることから、利欲丸出しの熾烈極まりない争奪騒動が姦しい。残骨灰の中に眠る、金、銀、プラチナ、パラジウムなどの有価金属の利益(宝の山)を貪ろうと虎視眈々と一攫千金を狙う自治体や処理業者が後を断たないというのだ。

 NHKの報道によると、精錬会社や金属メーカーなどに売却すれば、処理業者は数百万~数千万円の巨利を得るという。しかも、金の相場(買取価格)は鰻上りなので、利欲をますます煽る。たとえば、金は1g当たり約4800円、銀は約70円、プラチナは約3600円と高騰しているため、自治体の委託を受けようと競った処理業者が群がり、「0円入札」「1円入札」などが常態化する有様だというのだ。(NHKニュース「おはよう日本」2017年10月2日)。

それぞれの自治体の対応は?

 このような切迫した状況に追い込まれた各自治体は、どのように対処しているのか?

 市内4つの斎場で年間3万件の火葬が執り行われる横浜市。従来は、金や銀などの混入を想定せず、業者の処理状況も把握せずに処理費を一括支払いし、残骨灰の処理を委託(丸投げ)していた。

 ところが今年からは、残骨灰に金や銀が混入している前提に立ち、残骨灰を適切に処理する条件付きで残骨灰を処理業者に売却する方針に一転。その結果、今年の売却の入札では、5か月分の残骨灰におよそ3700万円もの高値が付いた。横浜市は、この売却益を火葬施設の改善に活用するとしている。ただし市民からは、遺族への説明責任や倫理上の問題を指摘する声が強い。

 一方、京都市は、長年にわたって残骨灰を処理業者に委託せず、市の管理施設で処理・保管してきた。今後も金や銀の取り出しや換金はせず、残骨灰に混入したまま永久保存する計画だ。東京都は、残骨灰の分別だけを処理業者に委託し、取り出した金や銀を返還させ売却し、売却益を財政に組み入れている。名古屋市も、有価金属の売却益およそ2000万円を財政に算入している。

 だが、北九州市は、有価金属の換金は不遜との市民指摘を受けたことから、1991年度以降は換金していない。市の要綱に「残骨灰は遺体の延長で、敬虔に処理する」と定めている。

 なお、処理業界団体の全国環境マネジメント協会の調査(2015年)によると、全国342の自治体と事務組合の86%が業者に処理を委託している。

 ただし、売却益や換金の問題だけでなく、見落としがちな観点がある。各自治体が処理業者に分別委託したまま管理を怠れば、利益優先の処理業者は有価金属だけを抽出し、たとえば、有毒物質の六価クロムなどを違法投棄する懸念があり環境問題へのリスクも視野に入れなければならない。

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