別段<ひよっこロス>の週明けをあざとく狙ったわけではなかろうが、じつに絶妙なタイミングでアノ、昭和顔の破天荒六人衆が月曜深夜の時間帯に帰ってきた。
彼らを特集すればアニメ誌は完売、各種イベントも満員御礼――という一種の社会現象まで生んだ赤塚不二夫生誕80周年記念作品、TVアニメ『おそ松さん』(テレビ東京系:月曜深夜01:35~)。その第2期放送が10月2日から始まった。
豪華な声優陣が腐女子のハートを鷲掴み、細かなキャラ設定が時代相を照射、制作陣の斬新なギャグセンスがとにかく秀逸……等々、おそ松さん大ブレイクの理由はさまざまに語られている。
が、その第2期放送開始を機にここはひとつ、ヘルスプレス的に<最近の厚生労働省推計>などを参照しつつ、あの「クズでニートな大人」に成長した6つ子アニメが共感・指示された背景を考察してみよう。
ギャンブル依存症でニートな童貞って……
「帰ってきたら、やっぱりバカ。」の謳い文句を堂々と掲げて凱旋した、六人衆。
公式サイトで改めて6つ子の素性を復習すると、<誕生日は5月24日>で<年齢は20代前半>、似て非なる各自の性格の違いも記されているが、6人に揃って<ニート、童貞>の文字が仲良く(?)並ぶ。
日本の場合、ニート(英語:Not in Education,Employment or Training,NEET)の定義は、非労働人口のうちで通学も家事も行なっていない層(15~34歳)を指し、<若年無業者>の総称とされている。
近く公表される2017年版『厚生労働白書』には、厚生労働省が2014年度までの20年間に及ぶ国民生活基礎調査から家計所得を分析した結果、次のような傾向が盛り込まれる。
世帯主が40代(の世帯層)では<単独世帯>や<ひとり親世帯>が増え、300万円未満の<低所得世帯>の割合が上昇傾向にあり、対照的に高齢者世帯では減少している――。
つまり、わが国の所得の再分配機能が、現役世代に比べて、高齢者世代に<手厚い構造>が浮き彫りにされたという次第。
そんな時代の趨勢を知ってか馬耳東風か、松野家の兄弟は全員そろって<パチンコ好き>。
小学生メンタルである長男・おそ松に至っては<パチンコ、競馬、女の子が好き>な性格だが、これをマンガの世界ゆえと笑ってばかりもいられないのが昨今のご時世だ。