シリーズ「脊柱管狭窄症をもっとよく知る」第2回

脊柱管狭窄症を緩和させる運動療法「8の字スクリュー」でインナーマッスルを鍛える!

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フープの要領で腰を回す「8の字スクリュー」で痛みが即軽減

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8の字スクリュー運動

 深層筋を無理なく鍛える体操「8の字スクリュー」の進め方を説明しよう。
①両足を広げてまっすぐに立ち、顔を正面に向ける。両足の爪先をやや外側に広げて立つと安定感が増す。

 前かがみ姿勢がクセになり、背骨本来のS字カーブが失われた人は、ニュートラルポジション(それ以上に反らすと症状が現れる上体の傾き)まで上体をゆっくりと起こす。

②フープを回す要領で、腹式呼吸を行いながら数字の8を描くように水平に腰を5回動かす。ゆっくりと大きく8の字を描くのがコツだ。

③反対回りにも腹式呼吸を行いながら数字の8を描くように水平に腰を5回動かす。これをワンセットとし、朝・昼・晩の1日3回、1セットずつ行う。

 体操の前に、固まった腰の筋肉を手で揉みほぐしてから行うと効果が高まる。ただし、1回に30回以上行うと、腰の痛みが増す場合があるので避けよう。

 「8の字スクリュー」を毎日続ければ、脊柱管狭窄症の症状の改善に役立つ深層筋を効率よく鍛え、体幹を強化できる。体幹に筋力がつくにつれ、腰椎と骨盤が安定し、日常の動作が楽になるので、歩く距離も延び、転びにくくなる。

 清水院長によれば、「8の字スクリュー」を発想したのは、脊柱管狭窄症のために腰痛に悩まされていたある患者が「腰をほぐすためにフープを始めたら、腰がしなやかになり、足腰がしっかりしてきた」という体験談を耳にしたことがきっかけだ。そのため清水院長は、フープがなくても誰でも簡単にどこでも安全にできるように工夫を重ねた末に、腹式呼吸による「8の字スクリュー」を考案。脊柱管狭窄症の患者に指導したところ、約70%の人に大好評という。

 このように「8の字スクリュー」は、安全かつ効果の大きい体操だが、体操を続けて痛みが強まったり、症状が悪化した場合はすぐに中止し、整形外科の専門医に相談しよう。

 毎日の「8の字スクリュー」が楽しく心地よくなったら、身も心も5月の薫風のように軽快に感じられるだろう。

(監修協力=脊柱管狭窄症ひろば

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清水伸一(しみず・しんいち)
清水整形外科クリニック院長
1988年、埼玉医科大学卒業後、茨城県立中央病院、東京都社会保険中央総合病院などで整形外科診療と救命救急医療に携わり、埼玉医科大学総合医療センター整形外科医局長、講師を歴任。
2006年、さいたま市浦和区に清水整形外科クリニックを開業。日本整形外科学会医。AKA-博田法指導医。清水整形外科クリニック(http://www.shimizu-seikei.com/)

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