小田原市「生活保護なめんな」事件の背景とは? 総額約3兆7000億円のうち不正受給は0.47%

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「生活保護」の4原則――国民に無差別平等に認められた普遍的な生存権

 厚労省によれば、生活保護制度は、資産や能力などを活用しても生活に困窮する人に対して、困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度(生活保護法第1条)だ。

 生活保護制度を支える理念は、憲法第25条にある。「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」。この生存権の理念に基づき、制定されたのが生活保護法だ。

 生活保護法の4原則がある――。

 ①無差別平等の原則:法の下の平等(日本国憲法第14条)に基づき、生活保護は、すべての国民に無差別平等に適用される。生活困窮に陥った理由や過去の生活歴や職歴は問わない(生活保護法第2条)。

 ②補足性の原則:生活保護は、資産(預貯金・生命保険・不動産)、能力(稼働能力)、援助や扶助を活用しても最低生活の維持が不可能な人に対して適用される(生活保護法第4条)。

 ③申請保護の原則:生活保護は、要保護者本人、扶養義務者、同居の親族の申請によって開始され、急病人などの申請が困難な人は、職権で保護される(生活保護法第7条)。

 ④世帯単位の原則:生活保護は、世帯単位の生活能力などを判定して決定する(生活保護法第10条)。

 このような理念に支えられていることから、被保護者(受給者)の権利と義務が生じる。つまり、受給者は、正当な理由がない限り、決定された保護を変更されないし、受給された保護金の課税や差押えを受けることはない。

 ただし、保護を受ける権利を他人に譲り渡せない。能力に応じて勤労に励み、支出の節約を図り、生活の維持・向上に努めなければならない。収入・支出の変動、居住地・世帯構成の変更があれば、速やかに届け出なければならず、行政の調査・指導・指示に従わなければならない。

 さらに、生活費に使える資力(年金など)があった場合は、定められた金額を返還しなければならない。2014年の生活保護法の改正では、ケースワーカーが必要と認めた場合、受給者は家計簿と領収書を提出する義務も追加されている。

受給者世帯は全世帯数の約3%、受給者は全人口の約1.7%

 次に生活保護の実態を見よう――。生活保護は、年齢、性別、健康状態、世帯の生活状況によって以下の8種類に分かれる。

 ①公費負担医療を行う医療扶助
 ②衣食など日常生活の需要を満たす生活扶助
 ③児童が義務教育を受ける教育扶助
 ④家賃などを補填する住宅扶助
 ⑤要介護・要支援者に行う介護扶助
 ⑥出産時に行う出産扶助
 ⑦生業に必要な資金などを給付する生業扶助
 ⑧葬儀時に行う葬祭扶助

 受給者世帯は1,633,301世帯、受給者は2,163,394人(厚生労働省平成28年1月)。全世帯数5641万2140世帯に占める割合は約3%、全人口127,094,745人に占める割合は約1.7%(総務省平成27年1月)だ。

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