国民年金の滞納者は強制徴収の差し押さえ! 5.3兆円の巨額損失理事長は報酬3130万円

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強制徴収の対象者を拡大(shutterstock.com)

 9月後半、「国民年金保険料」をめぐる徴収アップ対策が相次ぎ報じられた。一方で、国民感情を逆なでする「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)」の高額報酬の話題も浮上した。

 ニッポンで暮らす以上、誰もが「他人事」で看過できない年金話。情報の取りこぼしがないよう、まとめて紹介しておこう。まずは、滞納者への<強制徴収>の話題から。
 
 厚生労働省とGPIFは、2年連続となる基準引き下げ(=拡大)を決めた。
 
 保険料の徴収強化策である「強制徴収」の所得基準は、2015年度まで400万円だった。16年度には350万円に引き下げられ、来年度からは年間所得300万円以上の滞納者に実施される。

 徴収担当の年金機構が講ずる流れはこうだ。所得300万円(かつ未納月数3カ月)以上の滞納者にはまず文書や電話、戸別訪問などで納付を求める。その要請にも応じない者には「最終催告状」が送られ、進展がなければ「催促状」が送られる。

 さらに、年金機構の職員によって銀行口座や有価証券、自動車などの「財産」が調査され、売却できないように差し押さえるという。現在の対象者は約27万人だが、今回の拡大策で約9万人が加わるという。

5.3兆円の巨額損失でも理事長は<驚額報酬>

 一方、老齢基礎年金の「受給資格期間」が近い将来、現行の「最低25年」から一気に「最低10年」へと短縮される。つまり、納付期間が25年(300カ月)に満たなくて年金がもらえない<払い損>の層が減ることになる。

 わが国の無年金者(見込み者も含む)は推計上、最大で118万人。うち受給年齢の65歳以上で保険料を納付し続けても「受給できない」対象層が最大42万人はいるとされている(平成19年度・旧保険庁調査)。

 さて、今回の短縮策(=免除・猶予・カラ期間を含む10年以上)でどの程度の「見込み者」が減量できるのか、注目したいところだ。納付期間に応じた年金は2017年10月から支給が始まるので「(半ば)諦めていた」人は、資格の有無を見直してみよう。

 で、年金に関する話題の最後は、国民の大半が怒り心頭になる「報酬」のお話だ。

 国民感情との乖離が著しい報酬の実態は、総務省がまとめた『独立行政法人及び特殊法人等における役職員の給与水準等の公表』で明るみになった。
 
 公表の対象は、全府省所管の独立行政法人(日本司法支援センターを含む99法人)。今回は件のGPIFを取り上げたい。

 当サイトでも報じたとおり、2015年度のGPIFの運用損額はじつに5兆3098億円だ。「GPIFの巨額損失で日本の年金は最下位に転落!? 虎の子の損失隠しに批判が噴出!」「『国家公務員』と『座礁クジラ』の年金格差が許せない! 5.3兆円損失の影でプラス運用の怪」

 そんな巨額損失を垂れ流した張本人(理事長)らの<驚額>報酬を聞けば、怒りで卒倒しそうだ。

徴収率アップの前に「減俸」しろ!

 2015年度のGPIF・三谷隆博理事長(元・日銀理事)の年間報酬は3130万5000円! しかも、この三谷氏の報酬額は、99法人の理事長のなかで堂々の第1位。
 
 しかも、3000万円超は三谷理事長ただ一人。ちなみに、2位の国立病院機構・桐野高明理事長(元・東大副学長)が2303万6000円、3位の地域医療機能推進機構・尾身茂理事長(元・自治医科大教授)が2265万2000円。ブッチギリである。

 いずれもトップスリーの主務省は「厚生労働省」が独占。このGPIFの役員報酬は日銀総裁や官民の金融機関トップの年収を参考にはじき出されたという。

 元来、独立法人の役員報酬は「業績次第」で増減されると取り決めがある。5兆円を超える巨額損失を生んだ組織で、この報酬はいかがなものだろう。

 主務大臣の検証見解である添付コメントによれば、GPIFの理事長・理事・監事(非常勤も含む)の報酬は<客観的データ等を踏まえ><それぞれについて妥当な報酬水準>と、14年度を流用したような内容に終始している。

 少子高齢化の加速下で先行きに暗雲がたれ込めている公的年金。国民年金の徴収率アップを図る前に、<巨額損失理事長>が率先して、自らの給与半減を謳う現都知事の姿勢を見習うくらいの英断があってもいいのではなかろうか。
(文=編集部)

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