統合失調症を薬に頼らず<対話の力>で治療~世界で注目される「オープンダイアローグ」

この記事のキーワード : 
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
371954932.jpg

対話による療法で入院期間が短縮(shutterstock.com)

 薬の処方は最低限に抑え、会話の力だけで統合失調症を回復させる──。そんな話を聞いたら、何やらうさんくさいインチキ療法なのではないかと思うかもしれない。

 しかし、そのような会話の力による「オープンダイアローグ(開かれた対話)」という療法が、いま世界中で注目を集めている。

 オープンダイアローグの発祥は北欧フィンランド。同国の西ラップランドにあるケロプダス病院で行なわれてきた療法で、ユバスキュラ大学教授のヤーコ・セイックラ氏が中心人物だ。セイックラ氏は、家族療法を専門とする臨床心理士として知られている。

斎藤環『オープンダイアローグとは何か』

 日本でいちはやくオープンダイアローグに着目した精神科医の斎藤環氏は、2015年に『オープンダイアローグとは何か』(医学書院)という本を上梓している。

 同書によると、オープンダイアローグの主たる治療対象は発症初期の精神病。その一連の流れは、患者かその家族からの電話を受けることから始まり、初回のミーティングは電話から24時間以内に行なわれる。

 参加者は、患者本人、家族、親戚、医師、看護師、心理士など。場所は本人の自宅で行なわれることが多いが、それ以外でもよい。以降の面接は常にこの同じメンバー(患者本人を含む)で行なわれ、入院や投薬に関する決定事項は、常にその面接のなかで話し合われる。

 この「心理的連続性」も、オープンダイアローグの重要な要素だ。その対話の内容について、同書から引用してみよう。

 <クライアントやその関係者など、すべての参加者には、平等に発言の機会と権利が与えられます。ミーティングにはファシリテーターはいますが、対話を先導したり結論を導いたりする『司会者』はいません>

 <(中略)重要なことは、オープンダイアローグにおいて『専門性』は必要ですが、『専門家が指示し、患者が従う』といった上下関係は存在しない、ということです。オープンダイアローグとは、専門家と患者が、完全に相互性を保った状態で対話をすることなのです>

 対話の内容は、「苦しんできた経験を言葉で再構築」しようとするもの。重要なのは、患者の妄想を否定せず、真剣に耳を傾け、さまざまな角度から検討すること。そして、患者本人抜きでは何も決めない、ということである。

 この純粋に対話による療法を導入することで、西ラップランドの統合失調症の入院治療期間は平均19日短縮されたという。

胃の不快感の多くは実は「機能性ディスペプシア」という病気
日本初の『胃弱外来』開設」後編:巣鴨駅前胃腸内科クリニック・神谷雄介院長

前編『大病院を転々した末にたどり着く「胃弱外来」 初診から約1カ月で8割の患者の症状が改善』

胃痛やもたれ、むかつきなどの症状があっても、検査の結果異常がないと診断され悩みを抱える患者さんが少なくない。こうした胃の悩みを抱える人たちのために開設したのが胃弱外来。患者さんの多くは新しく認知された『機能性ディスペプシア』や『胃食道逆流炎症』などの疾患だ。その具体的な治療法について話を伺った。

Doctors marche アンダカシー
Doctors marche

くにたち駅前眼科クリニック院長。1986年、東京…

高橋現一郎

近畿大学理工学部生命科学科ゲノム情報神経学准教授…

西郷和真

フィットネスアドバイザー。JT東京男子バレーボー…

村上勇