忍者食は健康食(shutterstock.com)
日刊スポーツ(5月31日)によれば、人気グループ嵐の大野智さんが来年夏公開の映画『忍びの国』(中村義洋:監督/和田竜:原作・脚本)に主演することが決まった。
配給元の東宝によると、大野さんが演じるのは紺色の頭巾に身を包み超人的な身のさばきと手裏剣や小刀で大活躍する史上最強の伊賀忍者・無門。中村監督とは映画『怪物くん』以来、約6年ぶりのタッグを組む。7月中にクランクイン、10月にクランクアップの予定だ。
さて、武将の諜報・破壊・暗殺に暗躍した伊賀忍者・無門は、何を食べて生きていたのか? 忍者食はどんな味だったのか? どんな栄養があったのか?
伊賀忍者の心技体をチューン・アップしたのが忍者食
久松眞氏(三重大学社会連携研究センター特任教授・三重大学名誉教授)は、江戸後期の奇書『甲賀流忍法伝書老談集』、忍術書『萬川集海(まんせんしゅうかい)』など多くの古文献をリサーチしながら、忍者のライフスタイルや忍者食の成分・栄養価などを研究している。
久松氏によれば、『萬川集海』には「忍術はほぼ盗賊の術に近い」とある。忍者は五遁(木遁、火遁、土遁、金遁、水遁)の術に長けたスパイ。五遁の術を身に着けた忍者は、人知れず敵地に忍び込み、内情を探り、破壊工作し、諜報や謀略を駆使して「ミッション・インポシブル」を果たす。
そんな伊賀忍者の心技体をチューン・アップしたのが忍者食だ。三度の食事は庶民と何ら変わらない。だが、いざ出陣となると、非常食としてカラカラに炒った大豆、強飯(おこわ)、砂糖菓子のかたやき、スルメ、佃煮、梅干し、兵糧丸(ひょうろうがん)などを持ち歩いた。敵に気づかれないように体臭が強くなるニンニク、ニラ、ネギ、肉類は避けたようだ。